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萩原朔太郎詩集 (新潮文庫)

萩原朔太郎詩集 (新潮文庫)
By 萩原 朔太郎, 河上 徹太郎

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  • 発売日: 1950-12
  • 版型: 文庫
  • 258 ページ

カスタマーレビュー

宝石箱のような詩集5
萩原朔太郎と言えば月に吠えるが有名ですが、ここにはそのほかの素晴らしい作品も数多く収録されています。 その中でも、特におすすめなのは死なない蛸という作品です。水族館の水槽で誰にも気ずかれずに死んで行く蛸の姿に感動しました。 普段、詩集は敬遠している人も是非読んでみて下さい。 本当におすすめの一冊です。

切れ味イイです。5
中1の時、初めて読みました。その帯には「青い香水に浸した剃刀の刃」と書かれていました。萩原朔太郎を読んだ時に受けた衝撃は、まさにこの一語に尽きます。

言葉の力5
「人は一人一人では、いつも永久に、永久に恐ろしい孤獨である。原始以來、神は幾億萬人といふ人間を造つた。けれども全く同じ顔の人間を、決して一人とは造りはしなかつた。人はだれでも單位で生れて、永久に單位で死ななければならない」など「詩」以外にも青二才の心を揺さぶる言葉を残した朔太郎であったが、家庭に大きな問題を抱え、「聖戦」を謳う評論「日本への回帰」という情けない評論を書くなど、実生活における萩原朔太郎は「詩を書く萩原朔太郎」とは全く違った貧困な世界で生を送っていたのではないだろうか。まさに彼自身が語っているように「詩は神祕でも象徴でも何でも無い。詩はただ病める魂の所有者と孤獨者との寂しい慰めである」であったのだろう。だが、彼の実生活と詩世界とは切り離して考えるべきであろう。近代口語自由詩、つまり現在私たちが「詩」として捉えるほとんどすべての「詩」の元祖でありいまだ最高峰であり続ける萩原朔太郎の評価が、その実生活によってなんら貶められることはないのである。読み手はたった数行の詩・「蛙の死」特に「丘の上に人が立つてゐる。帽子の下に顔がある。」という部分に唖然とせざるを得ないであろう。この描写は「金槐和歌集」のなかで源実朝が詠んだ「大海の磯もとどろによする波われてくだけて裂けて散るかも」に匹敵する凄みがある。前者は「丘の上=人 と 帽子の下=顔」を対照させることによって表された見事な遠近感、そして後者は「われてくだけてさけてちるかも」の部分で表される波のスローモーション。言葉の持つ力、可能性をたった数行で我々に知らしめてくれる彼らの豊かな表現感覚はもう見事としか言いようがない。