ミカドの淑女(おんな) (新潮文庫)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #52728 / 本
- 発売日: 1993-07
- 版型: 文庫
- 281 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
その女の名は下田歌子。女官として宮廷に出仕するや、その才気によって皇后の寵愛を一身に集め、ついには華族子女憧れの的、学習院女学部長となった女。ところが平民新聞で、色恋沙汰を暴露する連載記事が始まり、突然の醜聞に襲われる。ここに登場するのは、伊藤博文、乃木希典、そして明治天皇…。明治の異様な宮廷風俗を描きつつ、その奇怪なスキャンダルの真相を暴く異色の長編。
カスタマーレビュー
林真理子が好きになるかも?
林真理子といえば、毒舌?ずいぶん昔になるがアグネス・チャンとのジェンダー論争?
はたまた、いい男好きのしたり顔作家?
と、私的にはほとんど、いいイメージがなかった作家。いや、全くなかった作家。
しかし、文学少女だった本屋の娘は、伊達に文学少女でも本屋の娘でもなかった。
物を書くために生まれてきた飛び切りの才女であったことを、
いやがおうにも認めざるを得ない1冊に、私は出会ってしまったのである。
明治に活躍した女性「下田歌子」の人と形を、林的視点で徹底的に描いて見せたこの1冊は、
歴史小説として圧巻だ。
とかくベールに隠されてきたミカド、華族、士族の生活とその哀れみさえも描写し、
この時代に生きた下田歌子の特異さをゆらゆらと炙りだすことに成功している。
また、平民新聞の連載に暴かれた彼女の野心を、あらゆる角度から色付けして見せたところも見事だろう。
林の小説と現実の平民新聞の抜粋を、交互に配した展開も迫力ある流れを作っている。
安っぽいインクの匂いが漂ってきそうな胡散臭い連載が、林の手にかかると、
ふくらみを帯び、一つの世界を生み出すのだから、天晴れというしかない出来といえるだろう。
読後に、ついつい林の文章に出会いたくなって、新刊を購入してしまった。
林ワールドに足を踏み入れるには最適な1冊だったのかもしれない。
林真理子氏の転機となった作品
「葡萄が目にしみる」で彼女の大ファンになりました。
ただ彼女は自分や家族をモデルにした話のみの作家だと思っていました。
しかしこの作品を読んでぶっ魂消ました。
実に素晴らしいエンターテイメントになっています。
明治の才女下田歌子の話。
彼女が平民新聞のスキャンダル記事で取り上げられ、それを読んだ様々な人々が彼女のことを回想する話です。
明治天皇から始まり、いろいろな人間が彼女を思い出し、最後にまた明治天皇の回想に戻ると云う非常に良くできた構成です。
彼女をたいした傑物だと思う人、とんだ女狐だと思う人、様々です。
それが素晴らしい文章で描かれいて、ページが減っていくのが惜しくなったほどの面白さでした。
直木賞を受賞した後、一時やや面白さが欠けた感のある彼女でしたが、この作品以降再びすごい作品をガンガン書きまくります。
まさしく彼女の転機になった作品といえるでしょう。
歴史モノ好きにはうってつけ
ハヤシマリコというと軽くて読みやすい・・・と思いがちだけど、これは違う。がっちり調べた上での力作です。これが『白蓮れんれん』につながった作品なんでしょうな。下田歌子、伊藤博文、山川捨松、津田梅子・・・歴史上の人物がまるで本当にこんな人だったのかも、って思わせてしまう作品です。面白い歴史小説を書く女性作家ってあんまりいないんですよね。これに感動した人には、瀬戸内晴美の『遠い声』をオススメします。大逆事件を扱った話で、この小説に出てくる平民新聞社とリンクしますよ。





