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影武者徳川家康〈上〉 (新潮文庫)

影武者徳川家康〈上〉 (新潮文庫)
By 隆 慶一郎

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  • 発売日: 1993-08
  • 版型: 文庫
  • 639 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
慶長五年関ヶ原。家康は島左近配下の武田忍びに暗殺された!家康の死が洩れると士気に影響する。このいくさに敗れては徳川家による天下統一もない。徳川陣営は苦肉の策として、影武者・世良田二郎三郎を家康に仕立てた。しかし、この影武者、只者ではなかった。かつて一向一揆で信長を射った「いくさ人」であり、十年の影武者生活で家康の兵法や思考法まで身につけていたのだ…。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
隆 慶一郎
1923‐1989。東京生れ。東大文学部仏文科卒。在学中、辰野隆、小林秀雄に師事する。編集者を経て、大学で仏語教師を勤める。中央大学助教授を辞任後、本名・池田一朗名で脚本家として活躍。映画「にあんちゃん」の脚本でシナリオ作家協会賞受賞。’84年、『吉原御免状』で作家デビュー。’89年には『一夢庵風流記』で柴田錬三郎賞を受賞。時代小説界に一時代を画すが、わずか5年の作家活動で急逝(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

隆慶一郎作品のひとつの集大成4
私が隆慶一郎を知ったのは、かつて週刊少年ジャンプで連載されていた「花の慶次」であった。後に「影武者徳川家康」も連載されたが、未完の形で終わってしまった。続きが気になった私は、小説版の原作を読んでみようという気になった。そして漫画版と原作の違いに気づいた。漫画版は、少年誌のためにアレンジされた部分があり、合戦や人情話に比重をかけざるを得ないだろう。小説は違った。確かに冒頭で徳川家康が暗殺されて、影武者が代わって合戦の指揮をとるという衝撃的な場面がある。しかし、その主題は、「道々の輩」という言葉に表される隆慶一郎の歴史観だったのである。私は専門家でないからその詳しい内容は書かない。漫画版しか知らない人も読んでほしい。後にこの作品はドラマ化されたが、私は!見ていない。三分冊に及ぶこの作品を1クールで表現できるとは思えなかったからだ。ドラマを見た方で、「道々の輩」の歴史観をご存知ない方も、この原作を読まれてみてはどうか。

今まで出会った時代小説の中で文句無く№1の作品です。5
およそ小説というものを読むようになって25年位になりますが、ここまで惹きこまれた時代小説は後にも先にもありません。友人にすすめられるままに読んだこの作品がきっかけとなり、隆氏の全作品はもちろん、柴田、五味、藤沢作品などを読み漁り、時代小説の虜となっていきました。作中では、身震いするほど魅力的で人間味あふれる漢(おとこ)達とともに苦悩し、歓喜し、何度も涙しました。読了後の感動は暫くの後に、この偉大な作家はもうこの世にいないのだという寂寥感へと変わっていきました。全ての読書家、特に男性にお勧めいたします。

衝撃的大作!4
関ケ原の合戦以降の徳川家康は影武者で,二代将軍秀忠との間で凄まじい暗闘が展開されていた,という大胆で壮大な構想に基づき,影武者家康の死までを描いた,衝撃的な大作.『徳川実紀』などいくつもの史料に照らされながらの内容は史実と思えるほどで,本当に影武者だったのではないか,と疑ってしまう.通説と異なる秀忠像,柳生像をはじめ,著者独特の漂白の民に対する考察なども新鮮で歯切れ良く,すばらしい作品だと思う.読み終わると,影武者家康がある種のユートピアを作ろうとした街,駿府に行ってみたくなる.ただ一箇所,上巻で描かれる影武者の若き日,一向一揆での活躍のくだりはやや冗長かも.でも,それを補って大いに余りあるお勧めの作品.