愁月記 (新潮文庫)
|
| 価格: |
おすすめ度:
商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #474693 / 本
- 発売日: 1993-09
- 版型: 文庫
- 232 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
一家の暗い宿命を負って生きた母が、九十一歳で長かった辛い人生を終えようとしている。その死の前後を静謐な文章で淡々と綴った、母への絶唱「愁月記」他、久しぶりに肉親たちや著者自身に関わる作品ばかりで編んだ待望の短篇集。七篇の収録作は、それぞれ『忍ぶ川』『白夜を旅する人々』など、著者自らの運命の系譜を辿る諸作品に連なるもので、短篇の名手が遺憾なく真骨頂を発揮する。
カスタマーレビュー
死別を乗り越えた先にあるもの
「おらんだ帽子」(講談社学芸文庫)では脳血栓で倒れながらも、余命をつないでいた主人公の老母が、本書の表題作でついに絶命してしまい呆然となりました。偶然のなせる技でしょうが、「おらんだ帽子」の後に本書を読む。何かの因果を感じる、と書いたら大げさかも知れません。しかし・・・。さらに本書の最後の1篇では主人公自身が高血圧のため病院での入院を余儀なくされます。ある篇では、飼い犬のブルドッグ「ボス」も6歳の誕生日を迎えた数日後、フィラリアのため死んでしまいます。主人公のふたりの自殺した姉たちを巡礼する旅の一篇も出てきます。濃密に死の薫りが漂う短篇集です。生と死とはコインの裏表に過ぎず、また、知人、身内の死は周りにいる者の内部に何かを沈殿させていく。紫煙の立ち昇るさまを呆然と見つめてしまいました。

