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栄光の岩壁 (上巻) (新潮文庫)

栄光の岩壁 (上巻) (新潮文庫)
By 新田 次郎

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  • 発売日: 1976-10
  • 版型: 文庫
  • 416 ページ

カスタマーレビュー

山岳小説の最高峰4
戦前に幼少期を過ごした竹井岳彦は18歳のとき八ヶ岳で遭難し、凍傷によって両足先の大半を失う。足を奪われながらも強烈に山に引きつけられる岳彦。鴨居からロープをつるしての簡単な歩行訓練から始め、徐々にリハビリを重ねる。やがて”ない足”を蘇らせて、未登攀の岩壁を次々に征服し、日本人として始めてマッターホルン北壁を制覇する。彼にとっての登山の理由とは「そこに山があるから」という自然への征服欲だけでなく、半人前の足しか持たない自分が一人前以上の力を出せることを証明するための自己征服欲求があった。戦後の荒廃した空気の中でも熱くたぎる青年の血を感じることができるだろう。山岳小説の傑作。

戦後派登場5
芳野満彦さんがモデルだといわれています
彼は高校生のころ八ヶ岳に登り凍傷になりました
それで足の指をすべて切断しました
彼の足のサイズは普通の人の半分くらいです
足が小さいのでバランスが悪い
足の指先の感覚が無いので微妙なスタンスがとれない
クライマーとしては致命的なハンディを負っています
それでも命をかけて山に登るのはなぜか
通常に人には狂気としかうつりません
加藤文太郎が戦前派なら芳野満彦さんは戦後派です
時代は変わっても山に登る人の熱い心は普遍です

主人公の人柄5
「孤高の人」「銀嶺の人」そしてこの「栄光の岩壁」。どの作品の主人公たちもそれぞれほんとうにすごい輝きを放っており、それぞれすばらしい、としか言いようがない。中でもこの作品は、主人公の人柄が明るく、どこかお茶目なところがあり、読後は爽快で、あたたかい気持ちにさせてくれる。登山以外でのエピソード、登場人物の人生にも胸打たれる場面が多い。元気をくれる1作。