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笑う月 (新潮文庫)

笑う月 (新潮文庫)
By 安部 公房

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  • 発売日: 1984-07
  • 版型: 文庫
  • 154 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
思考の飛躍は、夢の周辺で行われる。快くも恐怖に満ちた夢を生け捕りにし、安部文学成立の秘密を垣間見せる夢のスナップ17編。


カスタマーレビュー

夢収集家に・・・5
この本は、夢を見ない人、夢に興味のない人には、何の価値もないだろう。
一方、作者同様、夢に魅了された人間には、示唆に富む一冊となるだろう。
作者が、夢をこれほど重視していたと知ることは、大きな驚きであり喜びである。

この文庫には、17編の文章がおさめられている。

内容は、とりとめのない印象を受けるが、だいたい以下の3つのテーマにふり分けられると思う。

①作者の夢に対する姿勢。
②創作の秘密。
③夢そのものであるかのような短編。

作家が、発想の種子をどこで拾い、いかに発芽させるか、ということを記述した文章はとても興味深い。

途中経過の「安部公房」4
「ぼくは、ニヒリストをきどるほど楽天家ではないが、希望を語るにはゴミと気心を通わせすぎた」(本文より)

「他人の夢の話ほどつまらない話はない」という。
私もその意見に大まかに賛成だが、その不可解さが、逆にシュールな笑いをもたらしてくれるのならば、耳を傾ける価値はあるとも思う。
作品としての「安部公房」ではなく、その途中経過の「安部公房」を垣間見ることができるが、作品とはまた違った面白みがある。

「人間そっくりの珍獣アムダ」のエピソードは、話の内容よりもむしろ、安部氏の反応が興味深い。
徹底的に勘違いをした挙句に、それを小説として完成させてしまうのは、流石というべきか。
ワラジムシの薬「ワラゲン」や、ゴミへの愛情、「タブ」の研究など、奇奇怪怪なエピソードがずらり揃っている。

とんでもないことが、あくまで大真面目に語られているので、シュールで不気味なのに、なぜか笑いを誘う。
夜寝る前に読めば、自分の夢にまで侵食してきそうである。

ユアグロー的な…(笑)4
夢を主体として描かれていますが、そんな文章から作者の創作に対する姿勢が垣間見れたりもする(ような気がする)。のがちょっと嬉しい。
題材としての「夢」というのはかなりの難物で、下手に扱うとひどいものになってしまう危険なところですが、さすがに安部公房、ハズしません。
ユアグローの世界が好きな方には、おススめです。(笑)