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冷い夏、熱い夏 (新潮文庫)

冷い夏、熱い夏 (新潮文庫)
By 吉村 昭

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  • 発売日: 1990-06
  • 版型: 文庫
  • 267 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
何の自覚症状もなく発見された胸部の白い影―強い絆で結ばれた働き盛りの弟を突然襲った癌にたじろぐ「私」。それが最悪のものであり、手術後1年以上の延命例が皆無なことを知らされた「私」は、どんなことがあっても弟に隠し通すことを決意する。激痛にもだえ人間としての矜持を失っていく弟…。ゆるぎない眼でその死を見つめ、深い鎮魂に至る感動の長編小説。毎日芸術賞受賞。


カスタマーレビュー

肉親を喪う事とその描写5
 私はこの本で初めて吉村昭さんが、20年以上も前にたったひとりの弟を肺ガンで喪った事を知った。それにしても、吉村さんのこの描写は本当に上手いと思う。特に、最後に弟が死ぬその瞬間の描写は上手かった。

 描写の形式が、まるでドキュメンタリー番組の様な方法なので、とても流れが掴みやすく、その上肉親を喪うこととは何かを考えさせるものであった。只、病気を教えた方が良いのか、隠した方が良いのかは意見が分かれるかも知れない。それでも、肉親をガンで喪うことの描写、これは見事だと思う。

吉村さんが遺してくれたもの5
最近は、初版で3万部も売り切れば早速‘ベストセラー’の惹句が踊る。
また、1ヶ月足らずで100万部を突破する‘オバケ’もある。
安っぽい話題性と売り手側の仕掛けに乗せられて、
普段本を手にしない人びとが一斉に書店に群がる。そしてまた、本を読まなくなる。
そんなことの繰り返しでも、毎日毎日新刊が書店に並ぶ・・。
そのような一過性の流れに、吉村昭さんの著作だけは晒して欲しくないと切に願う。
本著を始め、吉村さんが緻密に、丁寧に、年月をかけて入魂した作品の数々を読みきってしまうのは惜しい。
この本も惜しみながら読んだが、それでも片時も離すことが出来ずに1日で読んでしまった。
読了まで、我が身も疼いた。弟さんと氏の痛苦が乗り移ったのかもしれない。
氏の亡き後、何を読めばいいのか・・・。

冷い夏、熱い夏4
毎日文学賞を受賞したこの冷い夏、熱い夏は、壮絶な癌との戦いを見守ってきた兄、作者が、克明にドキュメンタリータッチで書かれた作品でした。私の兄もこの病気に苦しみながら家族愛の中で永眠し、
なにかとオーバーラップさせられ、心苦しくなりましたが、感動的な作品に出会いました。