明治の人物誌 (新潮文庫)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #108748 / 本
- 発売日: 1998-04
- 版型: 文庫
- 503 ページ
カスタマーレビュー
良質かつコンパクトな偉人伝
野口英世や伊藤博文、新渡戸稲造、エジソン、花井卓蔵、後藤新平、杉山茂丸(夢野久作の父)など、明治の偉人の生涯を、それぞれ30ページほどにまとめた伝記です。通して読むと、著者の父、星一氏の伝記にもなっています。努力の大切さを教えてくれて、読むと元気がでます。優れた自己啓発本とも言えるでしょう。
<人類のために生ける彼は、人類のために死せり>
作者の父星一が直接かかわったり、星一におおきな影響を与えた明治時代の人物達の短い伝記を集めた本です。
私が面白かったのは、小学生のころに読む本などに出てくる有名人達が、生活をして友達と語る様子が淡々と描写されている場面です。
野口英世と星一が東北弁で語らったフィラデルフィアの夜。
「専門センスではいかんよ、コモンセンス(常識的)でなくては」
が口ぐせの新渡戸稲造。
「わたしの発明したもののなかで、蓄音機がいちばん好きだ。」
と語る難聴のエジソン。
「はい。日本の役所ではわたしが上司ですが、ここでは北里君の弟子になります」
とコッホの元で細菌学を学ぶ後藤新平。
普通の伝記では、どうしても主人公が善としていろんな言い訳がましい解説がついたりして、真実味や人間味が薄れてしまうものです。
しかし、この本は簡素で的確な描写のため、
「ああ、本当にこんな偉人達がいたんだな」
と、感慨深く読みました。
明治を身近に感じよう−お手軽歴史・人物伝
SFショートショートの第一人者、星新一が父への思慕の念を散りばめつつ、明治という時代への尊敬と憧れを凝縮したような作品。それでいて、からりとした爽やかな語り口の人物伝に仕上がっている。これが文庫で通覧できる明治の側面かと思うと、改めて本当に安価ですばらしい1冊。
歴史の教科書で必ず出てくる中村正直を、初めて詳しく知る事ができた。有名すぎる野口英世、伊藤博文、エジソン。お札で有名になった新渡戸稲造の恋愛譚には驚いた。全く知らなかった弁護士、花井卓蔵の業績、はちゃめちゃな貴族の後藤猛太郎。
その他、馴染みのない人々も星新一の語り口にかかると、おじいさんが昔話をしてくれるように、身近に生き生きと感じられるから不思議である。本来伝記とはこのようにして、わかり易く親しみ易く次の世代に読み継がれ語り継がれていくものだなあという事を、実感させてくれる一冊でもある。
大人向けの、やや枯れた味わいのある歴史文学としても楽しめる1冊を、是非堪能して頂きたい。





