新編銀河鉄道の夜 (新潮文庫)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #3520 / 本
- 発売日: 1989-06
- 版型: 文庫
- 357 ページ
カスタマーレビュー
本当に素晴らしいです。
僕は、この年になって、やっとまともに宮沢賢治に触れることができました。中学生の頃に夏休みの読書感想文の宿題のために「ポラーノの広場」を手に取ったことはあったのですが内容は丸っきり覚えていませんでした。多分、そのころの自分には少し難し過ぎたのかもしれません。
中学生の頃の自分に難しかった理由は、あまり句読点や漢字を使わない文章にあるのかもしれません。これは作者のオリジナルの文章を忠実に伝えるために、校正などを施していないからであると思います。これによっても彼の作品の素晴らしさが更に伝わってくると思います。
彼の作品の一つ一つは本当にきらびやかで彼の言葉を借りるならば「金剛石」のような作品の数々です。
どれも、ちょっと切なく、ちょっと悲しいような読後感を残す作品の数々ですが、本当に素晴らしいです。
彼の作品は「幸」という言葉を一般的に使われている「幸福」や「幸せ」といった言葉を用いるのではなく「幸い」として使います。「銀河鉄道の夜」の中で、「ジョバンニ」が「カムパネルラ」に決意表明する「本当に、みんなの幸いのためならば、僕の体なんか百ぺん灼いてもかまわない」という台詞には本当に感動しました。丁度タイミング良くTVで「銀河鉄道の夜」の劇団一座のドラマを放送していて、この台詞を「ジョバンニ」役の女の子が、声を高らかに話していたときには涙してしまったほどです。
彼は22歳のときに「あと15年ほどしか生きられないだろう」と言ったそうですが、その言葉通り37歳で短い生涯を終えてしまいました。僕は、もうすぐ、彼の生涯の年齢を超えてしまいます。でも本当に彼の作品に知り合えて良かったです。この作品を強く勧めてくれた友達に感謝しています。
「ほんとうの幸せとは何だろう」と考えさせる賢治の代表作
思えば、子どもの頃に読んだときは「星座をかけめぐる幻想的でかなしい汽車旅物語」といった程度の印象だったような気がする。賢治の享年を過ぎた今、改めて読み返すと、この作品に込めた賢治の考えの深さに思わず背筋が伸びた。
賢治は、岩手県農民のくらしを何とか良くしようと様々な社会実践を試行した37歳の短い生涯の終着駅にむかう病床の中でこの童話を書いている。縦糸は生と死、横糸は宇宙とふるさと。うつくしさとかなしさが交差する風景の中を、様々な人との出会いが少年に影響を与えながら夜汽車が立体的に進む。
賢治の没後に出版されたこの童話は、「ほんとうの幸せとは何だろう」と考える世界中の人々の魂を揺さぶりつづけている、日本を代表する童話作家のまぎれもない最高傑作である。
日本文学史上に残る傑作です。
銀河鉄道の夜。
これは大人のための童話だ。
もちろん、すべての人に読んでもらいたいけど。
なぜ、この作品が物悲しいのか?
ジョバンニが自己覚醒する心の旅に賢治は、我々を誘う。
他人のために死んだ者たちが次から次に列車に乗ってくる。
ジョバンニは、人々を苦しみから救うために天より遣わされたことを悟る。
「僕のからだなんか百ぺん灼いてもかまわない」
美しい話でありながら、壮絶な決意にいたる。
ジョバンニにとって本当の幸いとは、「他人のために死ぬこと」だった・・・。
オブラートに包んだ語り口調の中に、賢治が達した精神の高みを是非受け止めてみて頂きたい。





