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路上の人 (新潮文庫)

路上の人 (新潮文庫)
By 堀田 善衛

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  • Amazon.co.jp ランキング: #201147 / 本
  • 発売日: 1995-05
  • 版型: 文庫
  • 327 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
1243年5月、異端討伐十字軍がピレネーの山麓に集結した。迎える異端カタリ派は、天空に突き立つ岩峰上の城塞を最後の砦としていた…。法王庁が絶対的な力を持ち、一方、王権も漸く台頭してきた中世ヨーロッパで、路上に生活の糧を求めて浮浪する“自由人”の眼に、教会は、教義は、騎士たちの生態は、どう見えたか。時代の転換期を舞台に、人間の自由と尊厳を問う長編小説。


カスタマーレビュー

壮絶な歴史の一端を知る5
信仰とは、宗教とはなにか。
その根源にかえって語りかけてくる書だ。
バチカンによって「異端」とされた宗派が、罪のない子供まで含めてせん滅される。
人々が最後に隠った岩の上の僧院。それが滅ぼされるシーンには、まさに壮絶なものがある。

信仰そのものとして考えれば、むしろ「正当派」より純粋で真っ当なものがある。にもかかわらず権力を持つ「正当派」が、つまりバチカンがその力に任せて、「異端」として駆逐していく。
「なぜ? なぜ罪のない、純粋な、そしてまともな信者たちが、それも子供まで全て無惨に殺されなければいけないのか?」

バチカンは数百年の歴史を経て昨年、ようやく「十字軍」の誤りを認めたが、キリスト教、十字軍、その歴史と背景を知らない人間にも、具体的事を元にその流れを教えてくれる貴重な本である。
蛇足だが、私は昨年、この舞台となった地を訪ねた。
殺されて行った人々の叫びが今でも聞こえてくるような一種、独特の雰囲気を醸し出す山と僧院だった。