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蟹工船・党生活者 (新潮文庫)

蟹工船・党生活者 (新潮文庫)
By 小林 多喜二

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  • 発売日: 1954-06
  • オリジナル言語: 日本語
  • 版型: ペーパーバック
  • 281 ページ

カスタマーレビュー

今の時代だからこそ?5
「蟹工船」は、学生時代に読みました。
ちょうどバブル時代でしたので、読んでもピンとこなくて。
「所詮、昔の話だな…」と、あまり印象にも残りませんでした。
ただ、過酷な労働の代名詞として、「蟹工船」という言葉は使っていました。
が、今、改めて読んでみると、あまりに「現代」とリアルにリンクしていて、これが昭和初期のものとはとても思えませんでした。
数十年の月日とともに蘇った「蟹工船」。
名作の力強さを思うとともに、時代は繰り返すという意味を強く感じました。

漁師の力強さ・荒っぽさを見事に表した文体5
文体の荒さが臨場感を盛り立てている。
「監督」に対して鬱積してくる怒り。いつ爆発するのか?読んでいるこちらも緊張してくる。

サボタージュ・ストライキを用い労働者の存在意義を伝えようとする労働者サイド。一方、後ろに付いている巨大な権力を用い、労働者をねじ伏せる監督。
どちらに軍配が上がるのか。本当の意味での勝利とは。

短い本ですのですぐに読み終わります。是非お読みください。

さすがプロレタリア文学の名著!5
 さすがプロレタリア文学の名著ですね。とても80年前の作品とは思えないリアリティーがあります。また、読む者をグイグイと作品の中に引き込んでいく力があります。

 派遣労働者の差別や貧困、過労死の問題等に見られるように、確かに、この作品が多くの若者や厳しい労働環境の中にある人々に受け入れられる社会的環境が今の日本にあります。
 しかし、それだけでなく、小林多喜二の『蟹工船』が、現代の若者にこれほどまでに読まれている理由としては、やはり、『蟹工船』という作品の文学作品としての優秀性があるのだと思います。小林多喜二は、格差社会と貧困を生み出す本質を鋭く見抜くと共に、そうした現実と人間はいかに向き合うべきかということを、まさに優れた文学作品として描いたのです。だからこそ、『蟹工船』は80年という時代を超えて、現代にまで読み次がれているのではないでしょうか。

 余談ですが、新潮文庫の『蟹工船』は、昔の版よりも、活字も大きく、とても読みやすいと思います。また、文庫の表紙も、とてもインパクトがあります。