楽隊のうさぎ (新潮文庫)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #34792 / 本
- 発売日: 2002-12
- 版型: 文庫
- 340 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
「君、吹奏楽部に入らないか?」「エ、スイソウガク!?」―学校にいる時間をなるべく短くしたい、引っ込み思案の中学生・克久は、入学後、ブラスバンドに入部する。先輩や友人、教師に囲まれ、全国大会を目指す毎日。少年期の多感な時期に、戸惑いながらも音楽に夢中になる克久。やがて大会の日を迎え…。忘れてませんか、伸び盛りの輝きを。親と子へエールを送る感動の物語。
内容(「MARC」データベースより)
中学生という、心と体の伸び盛りを愛する気持ちを忘れてはいませんか。臆病な中学生は吹奏楽部で生き生きとした自分を取り戻す。ブラスバンド少年の成長を描く長編小説。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
中沢 けい
1959(昭和34)年生れ。千葉県館山市に育ち、18歳の高校在学中に書いた「海を感じる時」で群像新人文学賞を受賞、単行本がベストセラーになる。’85年、『水平線上にて』で野間文芸新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
苦言を。
この作者の本をはじめて買ったが、書き方が肌にあわなかった。
・主観がコロコロかわり、誰の目線で見ているのかがわからない。
・3人以上での会話になると、どの発言が誰のものかわからない。
・無駄な説明や解説が多く、そのわりに説明不足な事柄がおおい。
・場面転換が行われても、いつ換わったのかがわからない。
話し口調などに若干違和感を感じるのは、作者の年齢を考えるとしょうがないことなのかもしれない。
青春小説における重要なファクターである「主人公の成長」が、なんだかパタッと過ぎていくため、あまりカタルシスを感じない。
かなり期待して購入したのだが、非常に残念である。
文章から音が聴こえてきます
爽やかな、少年成長物語だ。ただ、この小説がそれだけで終わらないのは吹奏楽部という舞台設定だろう。音楽、曲はこの小説の中で非常に重要な位置を占めている。音というものを読者にリアリティをもって伝えられなければ、非常にうすっぺらい青春小説になってしまうと思う。この小説の中で主人公やその仲間は曲を紡ぐため一音一音に必死になっているが、同じように著者も一音一音をページから浮き上がらせ、音を奏でさせる為に全神経を注いでいるように感じた。私は吹奏楽のことは全然わからないが、それでも読み進めるうちに曲が聞こえるような錯覚に陥った。
少なくとも私にとっては、主人公たちの音楽をする感動を共有できる筆致ではなかった
私は、「商品の説明」を読んで、かなりの期待感を持ってこの作品を読み始めたのだが、全くの期待はずれに終わってしまった。私は、この作品を、「音楽に全く縁のなかった少年が、吹奏楽の素晴らしさに目覚め、先輩・友人・教師とともに全国大会を目指す過程が熱く綴られた感動の物語」と思って読み出したのだ。しかし、この作者の語り口は、どこまでいっても、プロらしさを感じられないほどに淡々としており、ストーリーにも、これといった劇的な起伏がないのだ。私は、途中から、「これは、思っていたような作品とは違うな」と違和感を感じ始めたのだが、結局、その思いが変わらぬままに、読み終えてしまったのだ。
私は、中沢けいを読むのは初めてなのだが、少なくとも、この作品での彼女からは、劇的な構成力とか、音楽の素晴らしさや音楽をすることの感動を、言葉だけで読者に伝え、共感させるだけの筆力は感じられない。
同じように音楽に打ち込む少年少女を扱った作品としては、「神童」、「ピアノの森」といったコミックスや、「スゥイングガールズ」のような映画が挙げられるのだが、こうした作品には、熱い感動が沸き上がってくる場面があった。しかし、この作品には、それがないのだ。たしかに、小説には、文章という限られた手段しかないという不利はあるにせよ、もっと、感動を呼び起こすような描き方があったはずと思うのだ。
もう一つ気になったのが、しばしば文中に割り込んでくる「うさぎ」の扱いだ。一応、灰色の壁で塗り固めた主人公の心の中に、外界に耳をそば立てる「うさぎ」を棲みつかせるという設定はわかるのだが、途中からは、なぜ、ここで「うさぎ」が出てこなければならないのか、その必然性が、見えてこなくなっているのだ。そんなものをわざわざ持ち出さなくても、物語は何の支障もなく成立しているだけに、その取って付けたようなわざとらしさに、違和感を感じずにはおれないのだ。





