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風の盆恋歌 (新潮文庫)

風の盆恋歌 (新潮文庫)
By 高橋 治

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  • Amazon.co.jp ランキング: #22959 / 本
  • 発売日: 1987-08
  • 版型: 文庫
  • 263 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
死んでもいい。不倫という名の本当の愛を知った今は―。ぼんぼりに灯がともり、胡弓の音が流れるとき、風の盆の夜がふける。越中おわらの祭の夜に、死の予感にふるえつつ忍び逢う一組の男女。互いに心を通わせながら、離ればなれに20年の歳月を生きた男と女がたどる、あやうい恋の旅路を、金沢、パリ、八尾、白峰を舞台に美しく描き出す、直木賞受賞作家の長編恋愛小説。

内容(「MARC」データベースより)
死んでもいい、不倫という名の愛を知った今は-。1年に1度の逢瀬は、越中おわらの祭りの夜。激しく燃える恋を胡弓の音が包んで…。1985年初版の新装版。


カスタマーレビュー

風の盆特有の哀調の調べに、ふたりの生き方がシンクロして流れる絶品5
金沢四高に学んだ学友が、2組の夫婦になって後、30年近くを経過する…。
50を前に、風の盆の時期に逢瀬を遂げる…、単に不倫では片づけられない
泣ける話です。
(渡辺先生の「失楽園」よりも品があって、いいと思います)

新潮文庫p104、初めて二人が肌を交わす夜の台詞は、大人のそれです。

私にも覚えがあります。「あなたの生活をAとし、あたしのをBとする。Aでも
Bでもない処に、二人の別なCがあるの、わかる?」と言われた7年前の秋を
なつかしく想い出します。(あぁ今は昔…)

またこれに続くp121の二人の会話も、味わい深いものを感じます。
女:「じゃ万々が一、私たちが夫婦になれたとしたら、やはりそうなって
しまうの」

男:「…多分ね。、もっと重いものを背負って行くからね
夫婦になりたいのに、なれない処に感じる「壊れそうなもの」と、その対局の
夫婦故の「安全牌のようなもの」とを、ふたりに旨く語らせています。

巻末の解説で、作者は「男女の恋もさることながら、風の盆を描きたい」と
述べてありますが、風の盆特有の哀調の調べに、ふたりの生き方がシンクロしながら流れる絶品です。

折しも最近発売のCD、「若林美智子:哀の調べ…風の盆の里から」の胡弓の
音を聞きながら、この作品と共に、至福の時を過ごしてみませんか。
もう馬車馬みたいに働く時ではありません。人として、人生を味わいたいもの
です。中年諸兄諸姉に、一読を熱くお薦めします。

遅すぎた恋の儚さ。5
人生はきっと儚い夢なのだろうと思います。風の盆には、行ったことはないですが、きっと向こうの方はあんな感じなのかなあと肌で感じられる素敵な小説です。「愛し合うには、遅すぎた」と思いながらも、一年を手紙のやりとりで愛を確かめ合い、風の盆の頃に再会する二人の50を近くになって、初めて本当に愛した人と過ごす日々を大切に愛おしく思う二人の間は、不倫かもしれないが、そんな言葉ではくくれない何かがあるのではないかと思います。

流れる川の水音が聞こえてきます5
 今ではすっかり有名になった 越中おわら風の盆。今年は、25万の人が訪れたそうです。 私は その調べを知りません。

 この物語は、風の盆の間だけ 生きている自分を感じられるという 男と女を 語っています。若い日に出会い よせるおもいがありながら自然に 二つに川が分かれていく 。それに身をまかせるように別々の歳月を送ります。そんな風に二十年を経て 二つの流れがよりそう。過去をうめたいのではなく ただ ひとつになって流れたい 風の盆の間だけは。