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国家と犯罪 (小学館文庫)

国家と犯罪 (小学館文庫)
By 船戸 与一

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  • 発売日: 2000-03
  • 版型: 文庫
  • 526 ページ

エディターレビュー

出版社 / 著者からの内容紹介
「わたしは比較的辺境を旅することが多いが、ときどき眩暈を覚えるような光景に出くわすことがある。そこでは人間があまりにも簡単に殺されるのだ……。
国家に対する犯罪。
国家による犯罪。
本書はその二つの相関についてのささやかな旅の報告である」(「序にかえて」より)
キューバ、メキシコ、中国、クルディスタン、イタリア…世界の辺境では、いま何が起きているか?
『山猫の夏』『砂のクロニクル』など傑作冒険小説を描き続ける作家が20年ぶりに世に問うた巨弾ルポルタージュ。

内容(「BOOK」データベースより)
キューバ、メキシコ、中国、クルディスタン、イタリア…世界の辺境では、いま何が起きているか?『山猫の夏』『砂のクロニクル』など、国際情勢を巧みに織り込んだ傑作冒険小説を描き続ける作家が20年ぶりに世に問うた巨弾ルポルタージュ。

出版社からのコメント
国際冒険小説の第一人者が世界の辺境を歩いた傑作ルポ


カスタマーレビュー

事例報告4
不幸は不幸しか呼ばないが、幸福は誰かの不幸の基に成り立っているかもしれない、という古い言い伝えがありますが(ははは)、国家による犯罪は、国民の総意に基づく犯罪であると常々考えていました。そこにはケースバイケース等という日本人が好きな言葉は存在しません。ある国家を相手に訴訟を起こす大半の人々は、その国の個人ではなく、その総責任を持つ国家に対して矛先を向けるしかない。この考え方だと、ある特定の個人を滅した場合でも、国家への挑戦への一幕にしかならないわけと短絡する可能性があります。然し、人の死は周囲の生存者に対し、犯罪者への憎悪をもって増幅還元され、延々の続く螺旋階段を下っていくハメになります。そうしない為にはどうしたらよいか?皆仲良くすればいいのですが、そんな簡単な事を人間は既に何千年も出来ずにいます。この驚くべき事実を生む、ささやかな温床にしたてあげられたほんの一部の地域を筆者は旅し、レポートしています。誰が誰に対して妬み、憎悪しているのか、また、誰が誰に対して搾取し繁栄を維持しているのか?現在の世界はそんな二元論では既に語りつくせない程、利益算出のエネルギーインフラは膨張し、複雑化、高度化しています。それを担っている主役が国家であり国民の「総意」というやっかいな代物のワケです。誰にでも責任はあるが、責任をとる資格がない。では責任を得る資格を持つにはどうしたらよいのか。そんな事を考えさせられた本です。

国家による犯罪、国家に対する犯罪3
国家による犯罪。そしてそのような犯罪に対抗する意味での、「国家へ」の犯罪。世界各地の辺境を渡り歩く著者がそのような「犯罪」の二重性をルポする。やはり目を引くのはキューバに関する章だ。カストロ体制はアメリカにとり実は好都合、という視点はむべなるかな、と思わせる。村上龍的なキューバ像とは対極にある―ある種レイナルド・アレナス的なキューバ認識(かなり好意的に船戸与一を評価すれば、だが)に連なる―ビジョンだ。

なお、タイトルは著者も言っている通り、エンツェンスベルガーの名著「政治と犯罪」を意識している。

失望1
『国家と犯罪』船戸与一(著)
オチョア事件に注目しているという点、それだけは価値がありますが、内容はひどいです。 2冊のタネ本をただ単に訳しているだけで、しかもその裁判例の誤訳があまりにも多くあきれてしまいます。 著者が意図的に間違えているようにすら感じます。 言いたいことはわかりますし、事件については誰もが疑問に思っていることですが、たとえばオチョア将軍が言っていないことを言ったことのように書いて欲しくありません。 読者に間違った印象を与え、問題提起をする意味が失われかねないと感じました。 独自の取材をしないジャーナリストとはなんでしょうか? 作家としてもう一度原点に戻って欲しいと思います。

『国家と犯罪』のタネ本のひとつは Andres Oppenheimerの『Castro's Final Hour』。 この本を読んでそれでもフィデル・カストロを手放しで礼賛できる方が果たしているのでしょうか。 スペイン語訳の『Hora Final de Castro』でも良いのですが、キューバについて英語で書かれた本のスペイン語訳なので、スペイン語の素材→英語→スペイン語になってかなりそのニュアンスは変わって来ているはずです。