弥勒世(みるくゆー) 下
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商品の詳細
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- 発売日: 2008-02-21
- 版型: 単行本
- 592 ページ
エディターレビュー
内容紹介
返還前夜の沖縄の現実を抉り出す暗黒小説
尚友は同じ施設出身の比嘉政信がヤクザのマルコウと準備を進めている基地襲撃計画に賛同しテロ行為に走る。
彼を慕う混血の美少女との愛との葛藤に悩みながらも、世の中を破壊する衝動に突き動かされていく。
内容(「BOOK」データベースより)
アメリカ人よ、殺されたくなければ基地を廃棄し、沖縄から出て行け。返還前夜の市民感情に斬り込んだエンターテインメント巨編。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
馳 星周
1965年北海道生まれ。横浜市立大学卒業後、出版社勤務を経て文芸評論家として活動。96年、デビュー作の『不夜城』が吉川英治文学新人賞を受賞。97年には『鎮魂歌 不夜城2』が日本推理作家協会賞、99年『漂流街』が大藪春彦賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
久々によかった!
ただ、ラストの描写になんともいえない気持ちになりました。
やりきれなさ、無力感、喪失感、歯痒さ。
沖縄の歴史は、正直、今まで気にしたこともありませんでした。
後でわかったのですが、この物語自体、沖縄の歴史に
忠実に基づいて描かれている部分が多々あることを。
世の中は、不条理だらけで、どうにもなりません。
そんな世界を描いている
馳星周の作品を読むと、なぜか救われます。
やるせないラストシーン、沖縄アウトロー達が繰り広げる沖縄版「男達の挽歌」
馳星周の作品にハッピーエンドや爽快感を望んではいけない。
それは判っているのだが、それにしてもあまりにも絶望的な結末を向かえる。
殺人集団と化していく3人。
執拗に尾行を続ける刑事。
命を落とす者。
もはや無法地帯ともいえる米軍の不埒さ。
そして、うちなーの怒りと悲しみ。
上巻でたっぷりと舞台背景を語り、主人公たちのイデオロギーや存在に肉付けをした後の下巻。
物語は、用意された皮肉なエンディングに向かって、一直線に走り始め、
読み進むほどに助走はますます加速していく。
こういう終わり方は全く想像できなかった。
してやられた感にしばし虚脱。
大排気量のオートバイで駆けるようなスピードと重量感で一気に読み進んだ
70年の返還前後の沖縄を舞台に、ベトナム帰還兵であふれかえる歓楽街での荒廃や人種対立、住民を踏みにじる強姦や轢き逃げといった米兵の犯罪、反基地闘争などの歴史事象を表に配置し、孤児として育てられ、アシバー(やくざ)の頭目として生きてきた裏社会の暗黒とニヒルなアンチヒーローたちの自己破滅的なテロへの共感を描いたハードボイルド小説。
CIAと反戦運動の二重スパイという背徳や、同じ孤児施設の幼なじみ同志の反発と嫉妬、疑心、ヒーローを慕う混血の美少女への恋情などが、漆黒の混沌を満たしていいた上巻から一転、下巻は、彼らを裏切ってきた世界への復讐の日に向かって突き進むように展開する。その過程で、混血の美少女高校生のむごたらしい死、その復讐、恋人の縊死、とヒーローたちを取り巻く世界への襲撃と彼ら自身の自壊が進行していく。同時にヒーローたちが見下していたうちなーんちゅ(沖縄人)たちが次第に覚醒し、高まっていく。そのすべてが爆発する終末は圧巻でしかも悲しく、そして再生への希望に満ちている。
大排気量のオートバイで駆けるようなスピードと重量感で一気に読み進んだ。




