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総統の子ら

総統の子ら
By 皆川 博子

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  • Amazon.co.jp ランキング: #332416 / 本
  • 発売日: 2003-10
  • 版型: 単行本
  • 621 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
将来の国力充足を目的としてナチスが設立した〈レーベンスボルン〉を舞台に、総統公認の青少年団〈ヒトラー・ユーゲント〉の団員だった少年たちの心の軌跡をたどる、壮大な時代と人間のドラマ。

内容(「BOOK」データベースより)
“ヒトラー・ユーゲント”に憧れた少年たちは何を夢見ていたのか。“ヒトラー・ユーゲント”の時代を描く傑作長編。

内容(「MARC」データベースより)
将来の国力充足を目的としてナチスが設立した「レーベンスボルン」を舞台に、総統公認の青少年団「ヒトラー・ユーゲント」の団員だった少年たちの心の軌跡をたどる、壮大な時代と人間のドラマ。


カスタマーレビュー

ドイツの悲劇三部作5
皆川氏は「死の泉」では、ヒットラーの民族政策として連れられてきた子供達の悲劇を、「ジャムの真昼」ではフォルクス ドイッチェの悲劇を、そして今回の「総統の子ら」では、今まで迫害する側としてのみ語られてきたSSの悲劇を描いた。この作品は前二作と異なり、かなりハードで血と硝煙の臭いただようものとなっている。皆川氏の作品に共通する「耽美性」を期待すると裏切られたような気分になるかもしれない。しかし、読みごたえは十分で、主人公たちの悲劇が切ない程に伝わってくる。戦争では、正義は常に勝者にある。アメリカ兵やロシア兵がどれほどの残虐を尽くしても、それらは語られることなく、ドイツ軍や日本軍が永遠に悪とされる。「僕がいったい何をしたというのか」。この言葉を呑み込み、なすすべもなく運命に翻弄された、主人公の一人のために、そしてロシアの平原や収容所で死んでいった多くのドイツ兵のために、皆川氏はこの小説を書いたのだと思った。彼らの言葉や思いを、世の一人でも多くのひとに伝えるために。

正直「死の泉」ほどは売れないと思いますが・・・4
前に「死の泉」を読んだときはストーリーの面白さに一気に虜になったけど、この「総統の子ら」は600Pの厚さと戦記の部分の多さにミステリ好きの私はかなり苦労しました。でも読んでよかったです。あの時代ヨーロッパで何があったのか、「悪」や「正義」っていうことに関して考えさせられました。そうそう、映画「戦場のピアニスト」と視点が似てる気がします。この本はドイツ兵から見た第2次大戦が淡々とつづられています。あと・・・読むときは「死の泉」との繋がりを求めるのは辞めたほうがいいと思います。全然別物です。ジャンルもね!

多角的視点を得るために5
ドイツ第三帝国のそのとき同時代人として中にいた人々の視点というものは、遠くはなれた日本の地から日本語というフィルターを通して得ることは大変困難です。結局一方的なヒトラーの糾弾の本か、ネオナチかぶれのカルト的な本か、一般の書店で良質な本と出合える機会は殆ど閉ざされています。皆川博子は本当に良く調べて1930年当時のドイツ人青少年の日々を描きこんでいるように思います。戦時下の描写がいささか事実の説明に終始しがちになるのは、扱うテーマの膨大さから仕方ないかもしれませんが、終章のレンバッハ氏の姿にジンと胸が熱くなりました。