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耶律楚材〈下〉無絃の曲

耶律楚材〈下〉無絃の曲
By 陳 舜臣

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  • Amazon.co.jp ランキング: #559826 / 本
  • 発売日: 1994-05
  • 版型: 単行本
  • 309 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
モンゴルに仏教思想を軸として、あらゆる知識を駆使して文明と人命を殺戮の大破壊から守りぬいた天才宰相・耶律楚材。愛と優しさの政治を命を賭して主張し続け、チンギス・ハンを覇者にした男!

内容(「BOOK」データベースより)
モンゴルに仏教思想を軸として、あらゆる知識を駆使して文明と人命を殺戮の大破壊から守り、愛とやさしさの政治を命を賭して主張した巨傑の軌跡―。

内容(「MARC」データベースより)
「湛然居士文集」、「西遊録」を遺した耶律楚材。私たちは彼の肉声を聞くことができる…。モンゴルに仏教思想を軸として、文明と人命を殺戮の大破壊から守り、愛とやさしさの政治を主張した巨傑の軌跡。*


カスタマーレビュー

命を賭して正道を説き、自己犠牲を辞さぬ5
 「天が我が家に賜った者」として、チンギス・ハンが自身の「大葬の礼」の作法まで任すほどに重用した耶律楚材。「中書省」と呼ばれる帝国の中央行政の長「中書令」を預かった楚材は、モンゴルが時の「天意に従った」帝国であると信じ、修めた「天文」(占星)の知識を駆使、民衆の為の行政を推進します。チンギスの西征で「麒麟の出現」をその引き際と見たり、また第二代皇帝オゴディ亡きあと皇后トゥラキナの摂政のもとで「火星がさそり座を犯す」のをチンギス末弟・オッチギンの乱の予兆と解したりする一方、その背後で情報を集めて社会情勢を把握し、使者を派遣し必要な人々に知恵を教授。自然現象を然るべき地の情勢に繋いだのです。また帝国の中央集権は必要だが、強権政治で人民を苦しめた秦の始皇帝を反面教師に、適正な税制度を定着させようと努力。モンゴル軍の強靭さは人民保護の為の警察力へと転化を試みました。政(中書省)・軍(枢密院)・監察(御史台)の三権分立を促進、一二三八年の「戊戌(ぼじゅつ)の選試」では不足していた官僚候補生を戦争捕虜からの復活組を含め四千三百人選抜します。トゥラキナに信任を得た色目人ラフマーン(「天下の貢賦」私的横領のかどで後に処刑)の台頭で、オゴディ末期から権威は失墜するも、特にその時、楚材が命を賭してチンギス・ハン由来の正道を説き、自己犠牲を辞すことなく執権する姿に胸を打たれます。彼の存在あってこそ、チンギス・ハンの統一の精神は覚醒され、帝国は弱体化と分裂の危機を回避。当時の耶律楚材の名宰相ぶりとともに、また彼を指名し機会を賦与したチンギス・ハンの先見の明にも思いを馳せます。

下巻が圧倒的に面白い4
モンゴル帝国創業期の官僚政治家の話です。契丹族の王族出身で、天文・暦法・地理・医薬・文学に通じた最高級の知識人の生涯が、幾編もの漢詩とともに語られます。◆上巻は、野蛮人の帝王に仕える外国人インテリの苦労話。主人公の個性も、頭が良い以外不明確であまりぱっとしません。◆がらりと変わるのは下巻から。チンギス・ハンが世を去り、求心力が分散しはじめると、耶律楚材ががぜん本領を発揮し、大活躍が始まります。◆理想の“NO.2”を書いた小説だと思います。