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楊令伝 五 猩紅の章

楊令伝 五 猩紅の章
By 北方 謙三

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  • 発売日: 2008-04-25
  • 版型: ハードカバー
  • 352 ページ

エディターレビュー

内容紹介
燕京を攻略中の趙安軍の背後をついて、梁山泊軍は河水地方の一部を制圧する。国と国との闘いを目指す楊令の見事な采配だった。一方、南の方臘のもとにいる呉用は、童貫軍に対抗するため策を練る。

内容(「BOOK」データベースより)
童貫岳飛、全軍躍動を命じ、智多星、乾坤の策を練る。烈火愴風、江南に満ち、万骨溢れて、功成りし者なし。

著者について
1947年唐津市生まれ。中央大学法学部卒。81年『弔鐘はるかなり』でデビュー。83年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞を、85年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を、91年『破軍の星』で柴田錬三郎賞を、2004年『楊家将』で吉川英治文学賞を、06年『水滸伝』全19巻で司馬遼太郎賞を受賞。


カスタマーレビュー

南北の乱が共振するとき、漢たちの想いが弾ける‥。5
北の燕雲十六州、南の方臘、南北に勢力を分断された禁軍がそれぞれの鎮圧に手間取るなか、着実に
勢力を養ってきた梁山泊がついに動き出した。
推戴された耶律淳を失った燕国の崩壊から方臘の乱の収束までを、主に禁軍の側から描きながら、
燕の将軍、耶律大石と蕭珪材を描き、南の方臘を描く。
 そして最も重要な梁山泊の流れも切らさない。
 見事な視点の転換と登場人物の描き分けといえるだろう。
 特に、熱のこもった戦闘シーンは、水滸伝の最終巻を彷彿とさせる。
 この第五巻は、このシリーズの白眉となるような気がする。

序盤のクライマックス。童貫と方臘の戦いが決着5
いよいよ序盤のクライマックス。宋の禁軍、童貫と宗教的叛乱の首領、方臘との長く、おぞましい戦いに決着がつく。

今回は、戦闘シーンの連続。今までの比較的静かな展開から一転した。
北と南の争いを制した宋、そして童貫は、いよいよ楊令率いる梁山泊との戦いに向かうのか。

そして、終わりの方に、なんだか胸騒ぎのする事件が...

いてもたってもいられず、早速、第6巻を読み始めた。

北方先生そこは触れないで5
南の方臘の宗教動乱、北の燕雲十六州をめぐる戦い。
宋が抱える南北の動乱がこの巻で決着します。

それにしても呉用。
キャラクターが変わりましたね。
あるいはこちらが本質だったのかもしれません。
最も信仰心からは遠そうな知性派の呉用でさえ変質させるのが、宗教の怖いところかもしれませんが。
水滸伝時代から武闘派の皆さんからは嫌われ嫌われ、読者としても呉用がやり込められる場面は結構胸のすく想いがしたりしたものです。(現場と管理部門の対立として考えると面白かった。)
李逵に板斧を喉元に突きつけられる場面なんかは、李逵に拍手を送りたくなったものです。
実は呉用をそんなに嫌いじゃないことに楊令伝に入ってから気が付きました。
キャラクターが変わったから嫌な感じが薄れたのか、もしかしたら自ら困難な現場に飛び込んでいったから好意を持ったのかは分かりませんが。

さあ、南北の動乱が片付いていよいよ次世代梁山泊と宋禁軍の全面戦争かと思っていたら、最後で、扈三娘へのどす黒い情欲を満たすための聞煥章のたくらみ。
王英の忘れ形見二人を利用する流れになりそうです。
私は聞煥章のことが割と好きなんですよ。満たされない想いに悶々としている悪役って好感が持てるじゃないですか。

そこは触らないでいて欲しかったなあ。
そこに触れると水滸伝以来全編に、(希代のヒットマン史文恭を描く場面でさえ)流れている爽快感がなくなってしまいます...。
「どす黒さもまた人間性だよ」と北方先生はおっしゃるのでしょうが。