神曲〈2〉煉獄篇 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)
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商品の詳細
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- 発売日: 2003-01
- 版型: 文庫
- 502 ページ
エディターレビュー
出版社/著者からの内容紹介
煉獄山絶壁の水際にたどり着いたウェルギリウスとダンテは、七つの大罪が浄められる第一冠から第七冠までを登り詰める。(解説・中沢新一)
内容(「BOOK」データベースより)
煉獄山は、エルサレムと対蹠点の南半球の海上にある。日曜日(4月10日)、愛の根元である金星が東の空を輝かせる頃、煉獄山絶壁の水際にたどり着いたウェルギリウスとダンテは、高慢の罪が浄められる第一冠から、邪淫の罪が浄められる第七冠までを登り詰めるが、最後の地上楽園でウェルギリウスの姿が消え、ベアトリーチェが現れる。人間の理性を以てしては天国へ昇れないからである。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
アリギエーリ,ダンテ
1265‐1321。イタリアの詩人。フィレンツェに生まれる。百科事典的な知識の集成を物語に織りこんだ不滅の古典『神曲』を著して、ヨーロッパ中世の文学、哲学、神学、および諸科学の伝統を総括し、またルネサンスの先駆けとなった。フィレンツェの市政にも深くかかわったが、1302年、政変により永久追放の宣告を受ける。以後、放浪のうちに執筆を続け、ラヴェンナで没した
寿岳 文章
1900~1992。神戸市生まれ。京都帝大卒。英文学者、書誌学者、和紙研究家。龍谷大学、関西学院大学、甲南大学の教授を歴任。『神曲』訳により、1976年読売文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
謙遜とは何か
地獄とは打って変わって、煉獄の旅の幕開きはのどかである。山裾では窪地に花が咲き、生前、敵対した者同士が共に息子の不肖を嘆き、歌を唱和する光景も見られる。
が、ペテロの門に至るや状況は一転、浄罪の行が始まる。まずは高慢の罪。生前、人を凌ぐことに執心した画家が、重荷を負いながら名声の虚しさを語る。ダンテ自身、学問と教養を誇って庶民の心に入らなかったことで身に覚えがあるようだ。浄罪の行はこれを始めとして7段階あるが、そのすべてを他人事で済ませられる読者は少ないだろう。畏怖の念にかられ、姿勢を正され、謙遜について深く考えさせられる。
山頂に着き、これまで絶大な信頼感を抱いてきたウェルギリウスが、含蓄のある言葉を贈ってまもなく、姿を消したことに気付いた時には、ダンテならずともじわっとくるだろう。そこで、間髪おかずベアトリーチェに一喝され、過去数年の怠惰を弾劾されるのは、師との別れの辛さを忘れるにも丁度よい。
聖書やダンテ以前の西洋古典に親しんでいれば、『神曲』になじみやすいことは言うまでもない。が、そうでなくても、本文と脚註を結び付けつつ展開を把握するには強い集中を要するため、雑念が掃われさっぱりする。つまり、読者にとっての導師、寿岳文章の註さえ丁寧に読めば、キリスト者でなくても本書は味わえる。
永遠の神曲/ウイリアム・ブレイクの挿絵
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償いに励む霊たちとの語らい
その著作『アエネーイス』で知られる古代ローマのウェルギリウスに連れられて、地獄ツアーを完了したダンテは、天国目指して途中の煉獄に入る。
大変な罪を犯した者は地獄送りだが、かといって天国に直行するには普通の人生ではあり得ない程にまで清廉潔白でなくてはならない。
つまり、大罪を犯してはいないが聖人でもない一般の人間は多くがまずは煉獄にたどり着くのである。ここで浄罪に励んだ結果、天国に向かえる。
煉獄の山は7つの冠に分かれ、「高慢」など各冠に割り当てられた罪に応じた清めに亡霊たちが励んでいる。
地獄と同じくウェルギリウスに導かれ支えられながら、ダンテは各冠を旅し、ダンテの額に刻まれた7つの罪も1つの冠の旅を終える毎に消されてゆく。
地獄と同様、実際にイタリア等に生きた人物たちにダンテは出会い、話を聴く。いつかは清められて天国に達する希望がある煉獄では、
亡霊たちは絶望に陥ることなく償いに励み、遺された者たちの祈りの功徳によって更に煉獄滞在期間を短縮できるよう、
言づてをダンテに頼んだりする。煉獄で償われる罪は殺人などではなく、高慢や大食など身近なものであり、
ダンテ自身も死後は煉獄への到達を予期している。地獄篇同様、ダンテがどのような人をどの冠に割り当てたかも興味深い点だ。
また、煉獄ツアーを通してダンテ自身も学んで成長していく様子が描かれている。
英詩人ウィリアム・ブレイクの挿絵を付した本文には詳細な註がつき、言及された人物の解説も詳しい。文章は文字が大きく美しく非常に読みやすいが、
やや文語調が混じって見慣れぬ言い回しも多く使われ、国語辞典を必要とする。巻末に訳者を含めた3篇のエッセイを収録。





