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たけくらべ (集英社文庫)

たけくらべ (集英社文庫)
By 樋口 一葉

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  • 発売日: 1993-12
  • 版型: 文庫
  • 250 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
好きだけど、言いだせない…。恋を知りそめた美しい少女・美登利のはかない想いを、浅草の風物をおりまぜて流麗に描く名作他2編。(解説・山田有策/鑑賞・俵 万智)

内容(「BOOK」データベースより)
廓の街に住む勝気な美少女・美登利はお寺の息子・信如にほのかな想いを抱いている。しかしお互いを意識するにつれ会話はぎこちなくなり…。せつなく不器用な初恋を情緒あふれる文体で描いた一葉の名作「たけくらべ」をはじめ代表作三篇を読みやすい新表記で収録。


カスタマーレビュー

恋とは、貴くあさましく無残なもの也…5
手軽で気楽な恋愛に物足りなさを感じているあなた。器用にこなすことで何かを失うような気がしているあなた。思春期のころ感じた真摯な情熱をもう一度体感したいあなた。その手にするべきは、樋口一葉である。

遊女と僧侶、俗と聖、少女と少年。二律背反しながらも惹かれ合う対立項。幼さゆえのもどかしさ、いじらしさ、そしてやりきれなさを見事に描き出している。樋口一葉独特の軽快なリズムであるのに、何処か切ない、真摯な恋愛世界を堪能しよう。「恋とは、貴くあさましく無残なもの也」…情熱的に生き、儚く散った一葉の言葉である。

はじめの一歩をこれで5
 樋口一葉作品は、この集英社文庫版ではじめて読みました。正直、明治文学を読めるかどうか不安だったのですが、この本はとても優しいです。
 まず最初の4ページに、一葉ゆかりの写真や絵が掲載。そして本編の前に梗概がついてる優しさ。漢字にルビがつき、1ページ1ページずつ下方に説明文が書かれています。最初は慣れないかもしれませんが、文章を理解しやすい形態で、私には嬉しかったです。
 
 それに余白の遣い方!

 他の出版本では、文字を隙間なくぎっちり詰めているので、台詞も地の文も判別に難しく、正直苦しい印象です。でもこの本では台詞を独立させ、セリフ終了後に余白をもたせた為に、言葉が活きているような感じになっています。

「誰も憂き世に一人と思うて下さるな」

この台詞も、地の文に埋もれる事なく活かされています。文字をぎゅうぎゅうに詰めていたら、私はこの本を読まなかったでしょう。余白の活用に、編集の心理的余裕が、この本を私に読ませるきっかけになりました。
 第一印象で《難い》と思ったら、樋口一葉離れしていたでしょうね。
 最初の掴みに《名作!》と心に響かせるこの出版物に出会えたのは幸せでした。
 私はこの本に、最大級のエールを送ります。

現実は・・・悲しい。5
惹かれあう少年少女。しかし少年は修行のため遠方へ。少女は遊女にならざるをえない運命。
抗えない何かによって打ち砕かれていく二人の儚くて脆い恋。

・・・人身売買が一般的だった時代の恋物語は、底辺の人々の嘆きと悲しみがあふれている。