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モサド、その真実―世界最強のイスラエル諜報機関 (集英社文庫)

モサド、その真実―世界最強のイスラエル諜報機関 (集英社文庫)
By 落合 信彦

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  • 発売日: 1984-09
  • 版型: 文庫
  • 254 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
四面の敵が、この組織を最強に育てた! 敵対するアラブ諸国に囲まれたイスラエルでは、生存のために世界最強の諜報機関を必要とした。ナチのアイヒマン誘拐やイラク原子炉急襲など徹底レポート。


カスタマーレビュー

落合信彦の真骨頂4
高校のころ、同級生に落合信彦をすすめられた。
最初は「2039年の真実」だった。それから、熱中して何冊も読んだ。(ついでに、同時期に同グループで「中国の旅」もはやっていた)
落合信彦を読むのが、ちょっとしたはやりだった。
小説に走ったり、CMに出てからは、すっかりイロモノ扱いされてしまったが、最初のころは、まじめなジャーナリスト、であったのだと思う。少なくとも高校生を本気にさせる力はあった。
この「モサド」は落合の真骨頂であると思う。日本人ジャーナリストの他の誰もが手をつけない、つけられないところまで易々と入り込み、いきなり「外国人ジャーナリスト並み」の力を示したのだ。この功績は、イロモノと化した今でも色あせていないと思う。
「モサドが命を惜しまないのは、仲間が必ず死体を引き取ってくれると信じているからだ」なんてセリフは、高校生をしびれさせた。絞首刑の写真まで載っているし。
結果的にモサド礼賛の大宣伝になったわけだが、アラブ側の視点でも書かないと、当然ジャーナリストとしての姿勢に疑問符はつく。
アメリカとイスラエルにやたらにコネがあるらしい落合信彦。…さて、彼の正体は本当はなんだったのだろう。チンピラジャーナリストか、真実を追い求める一匹狼か、はたまたCIAか。高校生の時はいざ知らず、そのくらいの頭は回るようになった、このごろだ。

夢中で読める一冊4
モサドで活躍した人物を中心としたインタビュー形式のノンフィクション。
”真実は小説より奇なり”。スパイ活動の詳細が実際携わった人物から語られ、その内容は、こんなことが実際にあるのかと思うような興味深い話の連続である。本当に面白い。
では、何故星4つなのか?

 これは、それこそ数あるモサドのスパイ活動の話の中でも突出した人物、それら人物の伝説的ストーリーのみを扱ったものだからである。確かにモサドの歴史に燦然と輝く真実のストーリーであるが、取り上げられたストーリーだけがモサドスパイの真実ではないはずだからだ。

それは、ミュンヘンオリンピックでのモサドスパイの任務遂行を詳細に描いた小説、”標的は11人”を読めば明らかである。
 きっとこれを読んでスパイに対する憧憬だけが印象として残るような気がしてならない。そのあたりに疑問があるので星4つ。

わが国の問題として4
 これを読んで思うことは、もちろんイスラエルの国家存続への執念と、そのために果たしたモサドの役割の大きさを実感することなのだが、では今の日本はどうなってるの? ということではないか。
 日本にもこれに相当する機関がないわけではない(内閣調査室)。そしてそれなりに活動しているという噂も聞くのだが、果たして有効に機能しているのだろうか、という感を抱いているのはわたくしだけではあるまい。むしろ、今はその諜報が国内に向かっていて、辻本清美、鈴木宗男、そして橋本龍太郎といった「都合の悪い人物」を失脚させるために誰か(書かなくてもお分かりだろう)が独占的に使っている、という印象を抱かざるを得ない。
 著者も言っている通り、問題なのは情報の質だけではなく、それを有効に利用するための政治決定なのだ。残念ながら、今のわが国では、諜報(というか、情報収集一般)に対する認識と、それを利用する頭脳と、両方が欠けていることは否定できないだろう。
 「人の振り見て我が振り直せ」ではないが、単にイスラエルを描いた本として読むだけでは著者の意図にも外れることになりはしないだろうか。