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残像 (集英社文庫)

残像 (集英社文庫)
By 三浦 綾子

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  • 発売日: 1977-01
  • 版型: 文庫
  • 546 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
女性を妊娠させて自殺に追いやった長兄、体面を気にする教育者の父、小心な母。暗い家庭に弘子の悩みは深い…。醜悪な人間像を描きながら愛することの重みを切々と語りかける。(解説・佐藤喜一)


カスタマーレビュー

家族のあり方について学べる本4
一通り読み終えても何かすっきりしない。でも大切なことを学んだ。そんな気がする不思議な本です。ストーリーは、世間の評判はいいが、内部に多くの問題を抱える真木一家を中心にして展開していきます。一家の長男である栄介が起こしたある出来事をきっかけにして、真木家の人とそれに関わる人達との間に繰り広げられる愛憎劇がこの本の最大の見所です。現代人はコミュニケーション不足と言われる昨今において、家庭における家族とのやりとりがコミュニケーション能力を養うには最高の環境だと言えます。家族とは本来どうあるべきなのかを考えるいい機会になると思うので、ぜひ一度読んでみることをおすすめします。

義人はひとりもいない4
ある家族の人間模様を描いた作品で、その意味で『氷点』を思わせる雰囲気を持っています。両親と長男・次男・長女の5人からなる家族が舞台。一応主人公は長女ということになるのでしょうが、物語に決定的な役割を持っているのはむしろ長男です。彼は拝金主義・利己主義の権化のような人間で、恋人を妊娠させて捨ててしまい、その結果恋人が自殺してしまいます。その後も父親を恐喝してお金を巻き上げようとするなど、様々なトラブルを起こします。その長男に対する家族の他の面々の反応を細かく描き分けることによって、人間心理の様々な面を浮かび上がらせています。

主人公の長女はやや理想化され過ぎた聖女的な印象で、自殺した女性の家族に詫びに行くことによってその家族と親しくなったりもします。但し、その彼女ですら長男がいなくなってくれることを密かに願っているなど、人間があらゆる面で善人として生きることの難しさがうまく表現されています。

残像5
自由と自分勝手を履き違えないようにするために、ぜひ読んで頂きたい書です。
北海道の観光名所が随所に描かれ、深刻なストーリーの中でもホッとさせられます。