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プラハの春〈下〉 (集英社文庫)

プラハの春〈下〉 (集英社文庫)
By 春江 一也

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  • 発売日: 2000-03
  • 版型: 文庫
  • 467 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
1968年、民主化運動に揺れるチェコスロバキア。ひとりの女性を愛したがために、外交官・堀江亮介は時代の奔流に巻き込まれてゆく。現役外交官が自らの体験をもとに描くラブロマン。(解説・吉野 仁)

内容(「BOOK」データベースより)
1968年4月、プラハ。カテリーナがナビゲータを務める国際放送番組『ミレナとワインを』のオン・エアが開始された。反響の大きさに周辺諸国は警戒を強める。この一件が引き金になり「プラハの春」も、亮介とカテリーナの愛も、破局へのカウントダウンを刻みはじめる―時代の奔流に呑み込まれ、歴史の闇に葬られた、美しくも哀しい愛。


カスタマーレビュー

激動のプラハを男と女の国境を超えた愛を通して描く5
ヨーロッパではあまり目立たないチェコ共和国。しかし、実際は歴史の波に翻弄されながら強く生きてきた国に他ならない。チェコスロバキアは常に社会主義、粛清、ロシアの軍事介入、迫害など常に何者かに支配されてきた。その中でチェコ国民は自らその運命を切り開こうとしてきた。プラハの春。それはチェコ国民が世界に示した確固たる意思だった。

この本は日本人青年とチェコの女性との愛を通して激動の時代のチェコ・プラハを描く。百塔の街と呼ばれるヨーロッパでも屈指の美しい町並みに人々が必死で生きようとする姿が重なり、読み終わったときには重厚なチェコの歴史を感じながらも爽やかな感慨にふけった。

チェコスロバキアが分裂し、チェコとスロバキアという新たな道を歩み出した今も彼らの心の火は消えることはないだろう。

何度読み返したことでしょう5
冷戦の象徴といえば、スターリン、ブレジネフ、ケネディ、キューバ危機、ベトナムや朝鮮戦争などを思い浮かべますが、プラハの春もその1つでしょう。 この作品は著者が外交官としてプラハの春の時代からソヴィエト侵攻を実際に経験し、その侵攻の状況を日本に打電した事実に基づいた自伝的著書であるため、ただのフィクションに収まらず、作品全体に重厚感と格調高さが感じられます。
鬱蒼とした時代を背景に、日本人外交官・亮介と東独の反体制派女性・カテリーナの悲恋が臨場感たっぷりと描かれ、読み手をぐいぐいと作品に引き込んでいきます。
ラブロマンスという紹介のされ方もありますが、その言葉でくくってしまうにはあまりにももったいない気がします。何度でも読み返したくなる逸品です。

これは本物だ5
この物語は、著者の実体験に基づいており、1ページ目からぐいぐい引き込まれていく。東西冷戦当時の東欧は、日本からはもっとも離れた世界のひとつであったが、大きな歴史のうねりの中でのチェコスロバキアの人々と日本の若き外交官の生き様が真摯に伝わってくる。このような緊迫した情勢の中での恋物語に、大人気なくはらはら、ドキドキ。主人公と一緒に喜び、そして泣くことが出来た。これは本物の小説だ。読後、チェコという国への親近感が高まり、著者がこの国に対して第2の祖国とも言うべき絶対的な愛情を持っていることがうかがえる。それにしても、祖国を愛し、任地を愛して仕事をする本物の外交官はもういなくなってしまったのか。最近の外務省の体たらくを見ていると心寒いばかりである。