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冷たい校舎の時は止まる(下) (講談社文庫)

冷たい校舎の時は止まる(下) (講談社文庫)
By 辻村 深月

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  • 発売日: 2007-08-11
  • 版型: 文庫
  • 581 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
学園祭のあの日、死んでしまった同級生の名前を教えてください―。「俺たちはそんなに薄情だっただろうか?」なぜ「ホスト」は私たちを閉じ込めたのか。担任教師・榊はどこへ行ったのか。白い雪が降り積もる校舎にチャイムが鳴ったその時、止まったはずの時計が動き出した。薄れていった記憶、その理由は。第31回メフィスト賞受賞作。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
辻村 深月
1980年2月29日生まれ。千葉大学教育学部卒。『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

居心地の悪い話。2
読み終わると、ちょっとひとりひとりに対してくどい印象があった。
もう少し短く出来なかったのかなと少し思う。
最後の方はお約束とおりという展開。
でも悪くない。
トータルすると楽しめた。

でも私はこの本を高く評価出来ない。
メインヒロインの名前がなぜ作者と同じなのか、その理由はなかった。
そこがとても居心地悪い。
もっと言えば薄気味悪い。
脇役とか、観察者的な立場の人間が作者と同じ名前なら何も思わなかっただろう。
わざわざ主役にというのが何故か嫌だった。
我ながら妙な事に拘ると思うが、そこがいただけない。
結局作者は何をしたかったのだろうか。
それは今も判らない。

24歳の処女作とは思えない完成度5
「凍りのくじら」があまりに素晴らしかったので、辻村さんの作品を順番にと思いこの作品を。
途中までの印象はバイオハザードのような閉塞感。上巻を読み終わった後で、ここまで話しに片がついて、まだまるまる下巻が残っている。途中で本を閉じて寝てしまうと、嫌な夢を見そうなそんな印象。かといって残りを一気に読むには中身が重過ぎる。そんなジレンマ。
長い小説は大好きだし、先の読めない展開は少しも退屈させないけれど、こうも緊張感が続くと少々疲れるかもしれない。登場人物8人の過去が各章でひとつひとつ明かされていくという展開なのだが、8人誰も進学校の生徒会関係者で、何かのトラウマを抱えるできる子という共通点があるだけに、キャラもかぶるところがあるのが否めない。しかし一人だけ違った印象の○○さんのお話になって急にトーンが明るくなる。これが下巻の半ばくらい。これが読むほうにとっては大きな救いとなり、物語的にも結末への伏線の一つとなって、大団円となだれ込む。作者の名前と、登場人物の一人の名前が一致していることについて、違和感を感じているコメントもあるが、少なくとも本作に関しては、作品の伏線の一つとして読めると思う。謎解きが終わってからのエピローグは少々長すぎな印象だけれど、これは処女作品に対する作者の思い入れの深さを表しているのだろうし、素直に最後までつきあおう。
読みながら「何か変だなあ」と感じていたところは、謎ときですべて解決する。そういう意味で伏線の張り方は本当に見事だし、アイディアをこれだけの長編の作品として破綻なく完成させた作者の力量には舌を巻く。読み終わっての読後感は、村上春樹の「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」に近いものがある。メタフィクション的なところは、フィクションの意味を考え続けた人の作品だなあと感じさせられる。

怖さと切なさと5
 上巻同様、600ページ近いページ数に良くも悪くも圧倒されてしまいます。上巻で
投げ出さない方たちが手に取るのですから、きっと最後まで行き着くことと思いますが…。

 終幕に向かって物語が加速度的に展開されていくので、閉塞感漂う上巻で息苦しい思い
をした読者を一気に解放してくれます。もっとも下巻も中盤までは上巻までと同じような
展開が繰り返されますので、そこまで我慢できれるかが勝負。

 終幕は高校時代を経験した者なら皆、ふと昔を思い返させるようなそんな切なさが
あります。小説としての完成度はいまいち(デビュー作ですから…)ですが、読ませる
作品であったことは確か。