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ハゲタカ2(上) (講談社文庫)

ハゲタカ2(上) (講談社文庫)
By 真山 仁

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  • 発売日: 2007-03-15
  • 版型: 文庫
  • 412 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
「いつか日本を買収(バイアウト)するーー」。1年の海外放浪を
経て、帰国した鷲津政彦(わしづまさひこ)が、まず標的(ターゲツト)に定め
たのは、繊維業界の老舗(しにせ)「鈴紡」。一方、鈴紡は元銀行員の芝野健夫
(しばのたけお)を招聘(しょうへい)し買収防衛を図る。その裏に、かつての
芝野の上司で、UTB銀行頭取、飯島の思惑があった。激烈な買収戦争で最後に
笑うのは?
(『バイアウト』改題)

内容(「BOOK」データベースより)
「いつか日本を買収する―」。1年の海外放浪を経て、帰国した鷲津政彦が、まず標的に定めたのは、繊維業界の老舗「鈴紡」。一方、鈴紡は元銀行員の芝野健夫を招聘し買収防衛を図る。その裏に、かつての芝野の上司で、UTB銀行頭取、飯島の思惑があった。激烈な買収戦争で最後に笑うのは。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
真山 仁
1962年、大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。読売新聞記者を経て、フリーランスとして独立。2003年、大手生命保険会社の破綻危機を描いた長編『連鎖破綻 ダブルギアリング』(共著・香住究名義、ダイヤモンド社)で小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

ドラマを見て読みました4
上巻では、ある繊維会社をめぐる買収の攻防が
描かれていますが、カネボウと花王のいきさつが
思い浮かびます。

下巻では、キャノンや三洋電機のことが描かれている
かなと感じました。

ファンド同士の戦いは、凄みがあって
終盤は一気に読ませます。

NHKドラマの原作ですが、内容は同じではありません。
ドラマを見てからでも十分に楽しめました。

スケールアップした面白さ5
アメリカの軍需産業ファンドとの対決など、
話として前作よりもはるかにスケールアップした面白さがある。
ただ、逆に鷲津の凄さがややありえない領域に入り始めていて、
ちょっと現実味がなくなってきた感もなくはない。

ただ、前作同様企業のM&Aについて楽しみながら勉強になる本であるため、
M&Aなどに興味がある方は読んでみることをオススメします。

読んでいてつい力が入る5
 現実に素材を取り、数々起こった事件に一貫した一つの見方を提示している。 
 あえて言えば、ちょっと謀略史観的なところはあると思うが、それはそれでいいと思う。
 ストーリーの精緻さだけを見れば、ハゲタカ2は多少前作に劣るところはあると思うが、それでも第一級の書物である。
 上巻のターゲットは鈴紡、下巻は曙電機である。
 
 本書(「ハゲタカ」を含めて)を読むと、日本の企業に対する見方が一変する。
 ゾンビ企業とはよく言ったもので、不採算部門の整理ができず、人も切れず、何とか生きながらえるために、粉飾をする。
 銀行も倒れると処理ができないので、死なない算段だけはしておく。
 再投資が進まないから、イノベーションも進まず、生産性も改善されず閉塞感が漂う。
 こういう事情を知らないで気の毒なのは、当の会社の従業員である。
 一方、自浄作用が働かないで漂流していた日本企業に選択と集中を促し、資金を投入することで企業の持つ潜在的な能力を引き出し、リヴァイタライズさせるというハゲタカの役割の方がどうみても日本の成長という目で見ると合理的な主張であるように思え、その意味で鷲津の「日本を立て直す」ための行動には共感をせざるを得ない。

 「ハゲタカ」に続き、聞き慣れない言葉があちこちに出てくる。
 例えば、「FA(フィナンシャル・アドバイザー、アドバイスだけでなく、パートナー探し、資金調達、政治対応を行う)」、「LA(リーガル・アドバイザー)」、「CRO(ターンアラウンドの責任者)」、
 「ベアハッグ(買収を仕掛ける会社の取締役会に、取得条件を示して回答を迫ること)」、「レブロン基準(経営者が会社を売り渡そうと決めたら、最も高い価格の売り先に売る義務がある)」、「デッドマン・トリガー(逆買収。別名パックマン・ディフェンス)」とか。
 この辺をさりげに日常会話に忍び込ませれば、会話に知的な香りが漂うであろう。

 本書で、わくわくする、あるいは考えさせられる印象的なシーンは3つある。
 一つは、「チーム鷲津」の結成である。 プラザの報復によりホライズンを解任された鷲津の元に、ゴールドバーグを辞めたリン、 クーリッジを辞めたサム、ホライズンをやめた村上、前島など志を同じくする同志が結集する。
 二つは、アランの父が鷲津に「サムライ」について語ったシーンである。
 「サムライというのは死に場所を探すために生きることだと多くの人たちは勘違いしている。本当のサムライは、いつどこで死んでも悔いのないよう、どう生きるかを常に考えているのだ」と語る。 
 三つは、坂口安吾からの「新堕落論」からの引用で鷲津を表現するシーンである。
 「堕落者は常にそこからはみ出して、ただ一人、曠野を歩いていくのである。悪徳はつまらぬものであるけれども、孤独という通路は、神に通じる道であり、善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや、とはこの道だ」
 
 以上、何かと示唆に富む書物である。