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時生 (講談社文庫)

時生 (講談社文庫)
By 東野 圭吾

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  • 発売日: 2005-08-12
  • 版型: 文庫
  • 544 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
不治の病を患う息子に最期のときが訪れつつあるとき、宮本拓実は妻に、二十年以上前に出会った少年との想い出を語りはじめる。どうしようもない若者だった拓実は、「トキオ」と名乗る少年と共に、謎を残して消えた恋人・千鶴の行方を追った―。過去、現在、未来が交錯するベストセラー作家の集大成作品。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
東野 圭吾
1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

久しぶりに泣きました5
 この物語はいきなり結論から始まる。そのため、作品の行方は読み始めたときから見えている。しかし、逆にそのことが物語に入りこみやすくもしている。続くメインの部分も、未来から来た時生と共に、拓実とその実母の秘められた関係と出生の秘密を解き明かしていったり、恋人の誘拐やスリリングな救出作戦をしたりなど、行方がわかっていても目が離せない。そして感動のラストへと繋がっていく。それがどんなラストかは是非作品を読んで頂きたい。
 また、登場人物の言葉にも注目したい、時生の母親の言葉や、時生が拓実に「未来」というものについて訴えかけるシーン、最後の一文には鳥肌がたつほど感動した。せつなくもさわやかな余韻が読後に残る作品である。

感動!5
たった今、読み終えました。
居てもたってもいられなくてこのレビューを書いています。

とにかく感動しました。
東野作品の「感動する!」と言われるもの今までをたくさん読んできました。
が、実際の所、私はそれらを読んで、
物凄く面白い!とは思っても感動の涙を流したことはありませんでした。

しかしこの「時生」は違いました。
ストーリー展開や、文章ひとつひとつの魅力はやはり東野圭吾。
安心して物語の中に入っていくことが出来ます。

そしてトキオが拓実に泣きながら命の尊さを訴える場面や、
拓実が母親に初めて心を開く場面、そしてラストのあの一言。
こみ上げてくるものを抑えることは出来ませんでした。

とにかくたくさんの人に読んで欲しい作品です。

30~40代の父親には、たまらない作品だと思う5
「息子が過去にタイムスリップし、生き方を定められない父親を救い、自分がこの世に生を受けるために母親との仲をとりもつ」
414ページにわたるこの小説を、要約するとこのようになってしまい、古今東西、あまりにも使い古されたプロットである。
しかしながら、それだけで終わらないところが作者の真骨頂であろう。

息子・時生は現代で遺伝性の難病を患い、死の淵に貧している。しかもこの病は両親が結婚する前から、男の子が生まれた場合発病する可能性が高いことがわかっており、時生は生まれたときから、20数年で生涯を終える可能性が高かった。一方、23年前の父親・拓実は、健康な!体をもちながら、どの仕事も長続きせず、すべてを自分の境遇のせいにして、投げやりに日々の生活を送っていた。そこにタイムスリップしたトキオがあらわれ、父親の元恋人をやくざから救う過程で、父親は人間として成長していく。

「そら誰でも恵まれた家庭にうまれたいけど、自分では親は選ばれへん。配られたカードで精一杯勝負するしかないやろ。・・・・・・・たしかにあんたもかわいそうやと思うよ。けど、あんたに配られたカードは、そう悪い手やないとおもうけどな。」作品中、竹美が拓実に語りかけるこの下りは、この作品で作者が掲げたテーマへのひとつの回答だと思う。

30~40代の父親には、たまらない作品だと思う。作品の行方は読み始めたときから見えている。それでも作品の中に読者を引き込!み、問題を提起し、かつ感動をさせる、この力量はさすがとしかいいようがない。最後にひと落ちあるのも、いかにも作者らしい。どんな落ちかは是非作品を読んで頂きたい。

本作品は2003年度のこのミスで15位を獲得した。