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花芯 (講談社文庫)

花芯 (講談社文庫)
By 瀬戸内 寂聴

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  • 発売日: 2005-02
  • 版型: 文庫
  • 258 ページ

エディターレビュー

出版社 / 著者からの内容紹介
「繊細で、清らかな、言葉。」川上弘美
こんなに淫らで、こんなにも無垢な女がいただろうか?
晴美時代の記念碑的作品
「きみという女は、からだじゅうのホックが外れている感じだ」。親の決めた許婚(いいなずけ)と結婚した園子は、ある日突然、恋を知った。相手は、夫の上司。そして……。発表当時、著者に「子宮作家」のレッテルが貼られ、以後、長く文壇的沈黙を余儀なくされた表題作ほか、瀬戸内晴美時代の幻の傑作5編を収録。<解説・川上弘美>

内容(「BOOK」データベースより)
「きみという女は、からだじゅうのホックが外れている感じだ」。親の決めた許婚と結婚した園子は、ある日突然、恋を知った。相手は、夫の上司。そして…。発表当時、著者に「子宮作家」のレッテルが貼られ、以後、長く文壇的沈黙を余儀なくされた表題作ほか、瀬戸内晴美時代の幻の傑作五編を収録。


カスタマーレビュー

うつくしいことばたち5
とても言い回しが滑らかで、自然で、美しさに満ちていて
それが壮絶な女たちの人生をとても淡々と読ませてくれました。
恋という感情を、説くというよりはありのままに形にして見せてくれるような
そんな感覚に陥りました。自然と自分の中の気持ちと向き合え、
読み終わったあとには不思議な満足感の残る1冊でした。

ホラー顔負けの、愛と情念の物語たち5
今や老境に達しておられる瀬戸内寂聴さんが、まだ30代、【瀬戸内晴美】の時代に書いた短編集。

対談などで、しばしば「受賞後第1作で『子宮作家』なんて言われてね、その後何年も純文学誌では干されちゃったのよ」と話されるくだんの作品「花芯」のほか、「いろ」「ざくろ」「女子大生・曲愛玲」「聖衣」の5編からなる。

【瀬戸内寂聴】から入った世代にとっては、【晴美】(それも初期の)頃の作品を読むと、まずは驚かされる。今や“慈悲”の心境に達した寂聴さんも、かつては“渇愛”の中で、自身の奔放な恋愛遍歴と重なるような“色気”と“生命力”が迸る、触れたら火傷するような「愛」と「業」を抱いてひた走る女性を描いていたのだ。

が、当時の場合、「色気と生命力と愛と業」を書く女性=『子宮作家』呼ばわりされるのだから、何と子どもじみた文壇だったことか。しかし、こういう開拓者たちがいるからこそ、現在、その影響を受けた人たちが一線で活躍しているのだ。山田詠美など、フォロワーは後を絶たない。そして、寂聴さん自身は、文化勲章はじめ、長年積み重ねてきた素晴らしい功績がようやく認められる時代となった。

それにしても、表題作『花芯』のラストの一文は素晴らしい。
当時の文壇の人たちが、赤面しちゃって『子宮作家!』と言うしかなかったことも、何となく…分かるような気がする。男性が読んだら、気持ち悪さすら感じるのではないだろうか?女の私は、怖かった。リアルに想像してしまった。ホラー顔負けの〆の文である。ぜひ、手に取って読んでいただきたい。
洗練された筆致はないが、そこには、女の愛と情念が詰まっている。

なお、この作品の10年後に発表した『死せる湖』では、一転して絶賛される。“渇愛”の系譜に連なる完成形がここに。

女の業、女の性5
女の性、女の業を描き続けていた瀬戸内晴美さんの、特に強烈な初期短編、表題作「花芯」ほか、「いろ」「ざくろ」「女子大生・曲愛玲」「聖衣」を収めています。女たちの、繊細すぎる感性や壮絶な意志、それらを、どっぷりと読者が浸されるかのような筆致で描いています。