奇術探偵曾我佳城全集 戯の巻 (講談社文庫)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #212037 / 本
- 発売日: 2003-06
- 版型: 文庫
- 534 ページ
エディターレビュー
出版社/著者からの内容紹介
2001年度“このミス”第1位
華麗な手さばきで推理する佳城が、魔術城に仕組んだ空前の奇想とは?
目にも止まらぬ謎解き魔術。
泡坂妻夫。奇術師にして紋章上絵師そして推理作家。
3つの貌を持つ作者だからこそできた奇術ミステリの金字塔。
奇術を愛する曾我佳城(そがかじょう)の夢は、古今東西の奇術道具を揃えたマジシャン達の集う殿堂づくり。魔術城落成の大舞台に佳城は、前代未聞の大トリックを仕掛けていた! その正体が明かされる<戯の巻>。
内容(「BOOK」データベースより)
泡坂妻夫。奇術師にして紋章上絵師そして推理作家。三つの貌を持つ作者だからこそできた奇術ミステリの金字塔。奇術を愛する曾我佳城の夢は、古今東西の奇術道具を揃えたマジシャン達の集う殿堂づくり。魔術城落成の大舞台に佳城は、前代未聞の大トリックを仕掛けていた!その正体が明かされる「戯の巻」。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
泡坂 妻夫
1933年東京・神田鍛冶町生まれ。都立九段高校卒業後、家業の紋章上絵師の仕事につくが、マジシャンとしても活躍。’76年、処女作「DL2号機事件」が幻影城新人賞佳作。’78年に『乱れからくり』で日本推理作家協会賞、’90年に『蔭桔梗』で直木賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
佳城の魅力に頼った内輪向けの作品
本職のマジシャンでもある作者が、元花形女性奇術師、曾我佳城を探偵役として様々な人生模様を綴った短編集。勿論、事件を扱ってはいるのだが、ミステリと言うよりは男女の機微を中心とした心模様を描きながら、佳城が彩りを添えると言う形式である。全集と言う性格上仕方が無いのかもしれないが、雑誌への掲載順と異なる作品順なので、佳城の境遇が一貫しておらず読む者を混乱させる。
「ミダス王の奇跡」、「シンプルの味」のように題名が事件解決に意外な形で係るという仕掛けも見られるが、大半は事件が平凡過ぎて、佳城の推理にも華が無い。ユーモア味を強調する話を挟んでアクセントを付けたり、佳城の登場のさせ方を作品毎に変える等の構成上の工夫もあるが、物足りなさは否めない。元花形女性奇術師が探偵役と言うからには、華麗な事件・トリックがあり、それを佳城が鮮やかに解決すると言う展開を期待していた私はガッカリである。作者は意図的に事件を小粒にし、佳城も敢えて慎ましく描いたのであろうか ? 確かに佳城をハデに描いては味消しなのだが、まるで佳城を忍ぶ追悼作のような趣きである。まあ、枯淡の味は出ているのだが...。また、作者が奇術のタネを次々に、これ見よがしに披露するのは悪趣味であろう。作者の立場からすれば"さりげなく"作品に取り入れるのが大人の態度だと思う。そしてそんな事より、奇術のタネをミステリのトリックに膨らませる努力が不可欠だろう。その努力の跡も少しは見られるのだが、発想の飛躍の幅が狭く、ミステリとして昇華されているとは言い難い。本作は佳城ファンの方が、彼女の清艶な姿を楽しむ物語と捉えるべきか。
結局、佳城の魅力に頼り切ってしまって、肝心なミステリとしての面白さにまで気が回らなかった残念な作品。佳城ファンのみが楽しめる作品と言っても過言ではない。それにしても最終作「魔術城落成」の強引な展開は他の作品と落差があり過ぎ、違和感を覚えざるを得なかった。最終作を意識し過ぎだろう。
逸品
曽我佳城全集2分冊の下巻にあたる。この2冊はとおして読むことを前提とされて編集されており、収録順に読むことで最後の余韻もまた深まるというものだ。以前に出ていた単行本と収録順を変更しているのもうなずける。じっくり楽しめる逸品である。
ヒロイン曾我佳城に尽きる
主人公である、元女性奇術師の曾我佳城が、奇術にちなんだ事件に遭遇、
または事件で知り合った警察官に請われて、事件を解決に導く・・・
簡単に言うとこういう内容です。
どの短編も雰囲気があり、どこか浮世離れした独特の趣があります。
佳城が超然とした雰囲気をまとっているせいでしょう。
殺人事件であっても、佳城が登場することで殺伐とした感じが消え、華やかな
空気を吹き込んでしまうところが、キャラクターとして素晴らしいところです。
ただ、ミステリーとしてのサプライズは弱めなので、あまりトリックに期待は
しない方が良いかもしれません。どちらかと言うと人間ドラマの方に軸足を
置いています。
どうやらラストを最初に決めてから連載開始したようですが、ファンの期待に
応えたとは言い難いラストなのが残念です。
また、泡坂妻夫さんが少し前に他界されました。読んだ直後だっただけに驚き
ましたが・・・偉大な作家にご冥福をお祈りします。





