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奴の小万と呼ばれた女 (講談社文庫)

奴の小万と呼ばれた女 (講談社文庫)
By 松井 今朝子

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  • 発売日: 2003-04
  • 版型: 文庫
  • 373 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
くわっと胸が熱くなる
痛快な女侠客の生涯

身の丈六尺近い、雪のように肌の白い<奴の小万>は、愛しい男を守るためなら、角材を手にしてでも大立ち回りに走る。大阪屈指の豪商の娘でありながら、「せっかくこの世に生まれたからには、くわっと熱くなる思いがしてみたい」と、型破りの生き方を貫く。歌舞伎にも登場する痛快な女侠客の実像を初めて描く!

内容(「BOOK」データベースより)
身の丈六尺近い、雪のように肌の白い“奴の小万”は、愛しい男を守るためなら、角材を手にしてでも大立ち回りに走る。大阪屈指の豪商の娘でありながら、「せっかくこの世に生まれたからには、くわっと熱くなる思いがしてみたい」と、型破りの生き方を貫く。歌舞伎にも登場する痛快な女侠客の実像を初めて描く。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
松井 今朝子
1953年、京都生まれ。早稲田大学大学院文学研究科演劇学修士課程修了後、松竹入社。歌舞伎の企画・制作に携わる。’97年、『東洲しゃらくさし』で小説家デビュー。同年、『仲蔵狂乱』で第8回時代小説大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

時代の枠組みからはみ出して自由を求めた女性5
時代の枠組みからはみ出して自由を求めた女性お雪が、この長編の主人公です。
「女性」であることの制約に「なんで」「なんで」と問い詰めて行きます。「女性」は結婚し子供を産むことだけを求められていた時代です。「女は子供を産む道具」なのかという言葉が、この作品の中でも出てきます。「女性」の自我を強く表現して行った「女性」お雪。「家」を存続するために偽装結婚をすることを良しとせず、大店の木津屋の全財産を投げ出し剃髪してしまいます。
この作品自体は、古書店で老女から読ませられた古書の内容という形態をとっていますが、様々に点在する「奴の小万」の伝承を見事に纏め上げたものです。作者の表現力の豊かさが、「奴の小万」の魅力を満喫させてくれます。

大阪で生まれた女やさかい…3
この主人公「木津屋お雪」こと「奴の小万」は、美貌・頭脳・才覚加えて腕力を持つ女です。身の丈六尺と書かれていますから、だいたい182センチほどもあったようですから、現代に生まれていればモデルへのスカウトがばんばんきたほどでしょう。早い話が、美人で頭も良くて教養もあるけれども、江戸時代では完全に規格外なのです。

本当に男を見る眼がなかった元祖「だめんず」という印象のほうが強く残りました。とにかく好きになる男が悉くダメ男ばかり。大阪の娘たちに憧れられ、浄瑠璃の主人公にまでなった颯爽たる少女時代の爽快さが掻き消えるほどです。けれども、この「奴の小万」のだめんずぶりが、ある意味でいとおしくもあります。なぜなら彼女の無意識の母性を感じさせるからです。男より強い、だからこそ弱くてバカな男に惚れてしまう。そんなお雪のバカさ加減がいとおしいのです。よりによって、そんなの選ぶな!というツッコミを入れたくなります。

加えて規格外の彼女は、世間に喧嘩を売る生き方を選ぶのですが、そのときに、いつも彼女の足を引っ張り、その足元を掬うのは、よりによって彼女の愛した男という皮肉。強い女の痛快な生涯というより、江戸時代に生まれた規格外の、しかし、いとおしい女の物語です。

女は子を産む道具ではござりませぬ5
嫁ã-て三å¹'で子が出来なã'れば離縁されるという時代に、髪ã‚'å³¶ç"°é«·ã§ã¯ãªãå°ã•く結い上ã'、ç"·ã®ã‚ˆã†ã«é»'地の対丈の着物ã‚'ふたりのè...°å...ƒã¨ãŠæƒã„で来て、å-§å˜©ã®ä»²è£ã‚'買って出る…そã‚"な格好でç"ºã‚'ç·'り歩ã'ば、そりゃ一種のチーマーみたいなもの(?)相手に非があるとは言え…。

女は弱いもの、控えめなもの、と決め付ã'られるã"とに苛立つãƒ'ロインお雪のæ°-持ちはわかるが、大åº-の御寮人様のわがままにも見えてã-まう。そã"に作è€...は、é­...力的ではあるが、どã"か危うã'なç"·ã«æƒ¹ã‹ã‚Œã¦ã-まう女心ã‚'描き、熱い心ã‚'持った女性のç'žã€...ã-いé'春と、やがて自然に女ひとりでç"Ÿãã‚‹é"ã‚'選びå-っていくまでの物語。

結局、彼女が選ã‚"だ人ç"Ÿã¯ã€äººä¸¦ã¿ãªå¹¸ã›ã«èƒŒã‚'å'ã'たもの。それã‚'寂ã-い末路と思う人もいるかもã-ã!‚Œãªã„。フェミニズムが鼻につく、と思うç"·æ€§ã‚‚いるだろう。ã'れど、自分の心に正ç›'にç"ŸããŸçµæžœã‚'彼女はæ‚"いていないのだ、と肯定するのは、ç"·ç¤¾ä¼šã§ã‚ろう歌舞伎の制作という仕事ã‚'ã-てきた作è€...の矜持なのだと思う。