加筆完全版 宣戦布告〈上〉 (講談社文庫)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #77344 / 本
- 発売日: 2001-03
- 版型: 文庫
- 415 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
原子力発電所が並ぶ敦賀半島沖に北朝鮮の潜水艦が漂着した。対戦車ロケット砲で武装した特殊部隊十一名が密かに上陸、逃走する。彼らの目的は何か?未曾有の事態に政府はなす術を失い、責任のなすり合いに終始する。砂上の楼閣のごとき日本の危機管理を問うベストセラーに、最新情報を盛り込んだ完全版。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
麻生 幾
1960年大阪府生まれ。作家、ジャーナリスト。著書に、阪神大震災時の官邸の混迷などを描いた『情報、官邸に達せず』、オウム真理教と日本政府・警察・自衛隊との壮絶な戦いを描いた『極秘調査』(ともに文芸春秋刊)、グリコ森永事件・ペルー日本大使公邸占拠事件など日本を揺るがした重大事件の闇に迫った『戦慄』『消されかけたファイル』(ともに新潮社刊)がある。本書は氏が初めて手がけた小説作品である(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
あまりにリアルすぎて怖い
2001年当時、有事法制と国民保護法制はまだ存在しませんでした。
そういう状況で警察力が対応できないテロ集団が紛れ込むと何が起こるのか。この作品は、膨大な資料を通じてそれを明らかにしました。
ここに登場する防衛庁、警察庁、総務庁、郵政省。どの役所もこの問題に的確な答えを出せないまま犠牲者が拡大していきます。外務省に至っては、呼ばれもしないのに官邸に参じ、積極策に悉く反対した挙句、反対勢力への根回しを開始します。
思えば先の大戦も似たようなものでした。世界最強の歩兵と画期的な航空戦力を持ちながら、上層部が分裂・対立を繰り返して有効な戦略を繰り出せず、何万人もの有能な兵士を無駄死にさせてしまったのです。
この国は、末端が最高。トップが最低。その事実をまざまざと見せ付けた作品であるといえます。
現代史の好テキスト!
国際平和を希求する『日本国憲法』と東西冷戦の結果生まれた「自衛隊」。現実のアジア情勢が変化すれば,憲法第9条解釈と自衛隊法の運用はどうなるか?そんな関心があってこの本を手に取った。
原作者の力量を遺憾なく発揮している傑作といえる。特に自衛隊が,具体的には各種政令がなければスムーズに運用できない点をさりげなく会話の中にちりばめているところが圧巻。なにせ,その政令が存在しないとすれば?
優秀なはずの官僚達の責任転嫁,防衛庁官僚や制服組の焦燥を見事に描ききっている。構成も内閣・防衛庁の縦糸と,警察庁・警視庁の横糸を精緻に組み合わせている。だから5つ星。
むしろ人間を描かない点が成功している
単行本のときにも読んだのですが、この度加筆されて文庫化ということで購入、読み 直しです。 トム・クランシーとの類似を指摘する人も多いけど、カタルシスを求める人は失望す るばかりでしょう。本質は高度な政治批判の書。北朝鮮の兵士が原子力施設の集中す る敦賀半島へ潜入、国民の財産や生命を脅かす行動をとったときに、国家はどうする のか、というシミュレーション小説です。
情報の質も量も申し分なく、ジャーナリズムへ重心をおいた語り口も、官僚機構、官 邸、警察機構、自衛隊に対する過度の思い入れも、失望もなく、冷静な態度です。 特に、外国からの謀略などを扱う、警察の外事部門が、非効率さをかかえながら、多 くの失敗や無駄をくりかえしつつ、それでも成果を上げていく様子は、失望のためい きをつきつつも、納得させられます。
「亡国のイージス」という小説があって、評判が良かったのだけれど、「宣戦布告」は人間を描かないことで、目的を充分達していると思う。組織を描くには、そこにどんな人間が取って変わろうとも、同じ結果がでることを納得させなければならないからで、逆に人間を描くにはまさに、独自の人間を構築できなければ納得させられない、とも思う。 文中に一部、あきらかにあいまいにしてある部分がいくつかある。海自と米海軍のリンクシステムに関するくだりなどがそのひとつで、なにかとんでもないことが本当はあるのに、書けない、といった感じがする。できれば本人に聞いてみたい。





