風の海 迷宮の岸―十二国記 (講談社文庫)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #49728 / 本
- 発売日: 2000-04
- 版型: 文庫
- 348 ページ
エディターレビュー
出版社/著者からの内容紹介
天啓にしたがい王を選び仕える神獣・麒麟(きりん)。蓬莱国で人間として育った幼い麒麟・泰麒(たいき)には王を選ぶ自信も本性を顕わす転変の術もなく、葛藤の日々を過ごしていた。やがて十二国の中央、蓬山(ほうざん)をのぼる人々の中から戴(たい)国の王を選ばなくてはならない日が近づいてきたが──。壮大なる構想で描くファンタジー巨編!!
内容(「BOOK」データベースより)
天啓にしたがい王を選び仕える神獣・麒麟。蓬莱国で人間として育った幼い麒麟・泰麒には王を選ぶ自信も本性を顕わす転変の術もなく、葛藤の日々を過ごしていた。やがて十二国の中央、蓬山をのぼる人々の中から戴国の王を選ばなくてはならない日が近づいてきたが―。壮大なる構想で描くファンタジー巨編。
著者紹介
大分県生まれ。大谷大学在学中に京都大学推理小説研究会に在籍。講談社X文庫ティーンズハートでデビュー。『東京異聞』が第5回日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作に。著書に本書を含む『十二国記』シリーズ、『悪夢の棲む家』『過ぎる十七の春』『緑の我が家』(以上、講談社X文庫)、『魔性の子』『東京異聞』『屍鬼』(以上、新潮社)などがある。
カスタマーレビュー
心優しい麒麟の宿命
日本から異世界十二国に迎え入れられ、自分が人ではない存在「麒麟」であることを知った少年の成長と冒険を描いた十二国記シリーズ第二作です。
あまりに傷つきやすく優しい少年にはらはらしながらも、応援してしまいたくなることうけあいです。
自分の無力さを感じながら、それでも必死で自分のすべきことを探す彼の姿は、色々なことを教えてくれていると思います。
いかに麒麟が王を選ぶのかが
シリーズ一作目「月の影 影の海」とは舞台となる国が異なっており、時間軸も少し遡ります。今回の舞台は「戴」。いかに麒麟が王を選ぶのかがテーマとなっています。
麒麟は普通、十二国外の世界の中心、奉山というところで生まれ育つのですが、今回の主人公の少年、高里要は卵のときに、前回の主人公陽子とほぼ同じ時代の現代日本に流されてしまい現代日本で育ちます。奉山で育つと、麒麟の能力を自然の獲得していくようなのですが、現代日本で育っているために彼は麒麟の姿になることも、外敵から身を守る自身の指令(妖魔)を持つこともなく、とても危うい存在です。再び奉山に帰還した後、「王を選ぶ」ことを当然のように求められるのですが、そもそも「麒麟」であることも自信がない彼…。彼が「麒麟」になる過程は、わたしはこの本の中で一番好きな部分です。家庭教師である景麒(のちの陽子の麒麟)の不器用な家庭教師ぶりが良くて。とにかく一生懸命な主人公がかわいいので、「月の影 影の海」のハードさの後の癒しになります。最後の「試し」もドラマティックですし♪けれど戴国はシリーズ後半に至るまで、ほとんど謎の荒れた国として登場するので、それを思うと、彼が王を選ぶ過程が切なくなってしまいますが…。
心理表現の巧み
『十二国記』の中でも好きな作品の1つ。人間の心理の光と影を描ききる小野先生の巧みさに鳥肌を立て、はまり込むきっかけになった一冊でもあります。
本書を含む『十二国記』シリーズには、さまざまなキャラクターが登場しますが、そのどの人物の心の動き方にも不自然さがなく、どこか同調してしまいます。シリーズを読破している間中、「そうか、あの感情はこういう言葉だったんだ!」という感動を何度も味わいました。
『十二国記』は、ファンタジーとリアリティのバランスが絶妙で、読後感の良さも、小野先生の作品の中で群を抜いています。まだ読んでいない方は、まずはもちろん『月の影 影の海』から。そして、シリーズ2冊目の本書で、小野先生の「心理表現」の振り幅の広さを、ぜひ感じてほしいです。





