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地下鉄(メトロ)に乗って (講談社文庫)

地下鉄(メトロ)に乗って (講談社文庫)
By 浅田 次郎

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  • 発売日: 1999-12
  • 版型: 文庫
  • 311 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
永田町の地下鉄駅の階段を上がると、そこは30年前の風景。ワンマンな父に反発し自殺した兄が現れた。さらに満州に出征する父を目撃し、また戦後闇市で精力的に商いに励む父に出会う。だが封印された“過去”に行ったため……。思わず涙がこぼれ落ちる感動の浅田ワールド。吉川英治文学新人賞に輝く名作。

内容(「BOOK」データベースより)
永田町の地下鉄駅の階段を上がると、そこは三十年前の風景。ワンマンな父に反発し自殺した兄が現れた。さらに満州に出征する父を目撃し、また戦後闇市で精力的に商いに励む父に出会う。だが封印された“過去”に行ったため…。思わず涙がこぼれ落ちる感動の浅田ワールド。吉川英治文学新人賞に輝く名作。

内容(「MARC」データベースより)
町に地下鉄がやってきたその日、真次はふしぎな錯覚に捉われる。ホームに立ちつくす自分を、もうひとりの自分がはっきりと地下鉄の窓の中から見つめているのだ…。すべての地下鉄通勤者に捧ぐ愛と冒険の傑作ファンタジー。


カスタマーレビュー

最後にヒロインが消えた、この喪失感をどうしてくれる?1
真次にすっかり感情移入し、真次を通してみち子に恋をしていた。幸薄いみち子を可哀そうに思い、彼女が幸せになれるよう一生懸命に応援していた。それが最後になって、みち子の存在が消滅し、彼女はこの世に生れて来なかったことにされる。真次が半狂乱になるのは、無理もなかろう。私もそれから先を読む気力を失った。
みち子が恋人を幸せにする為にと選んだ道は、間違っている。これでは、真次自体の人生も否定することになる。真次が幸せになれる筈はなかろう。後日譚について何も語られていないが、真次が、妻子や、母のところに戻り、平安に暮らすということは、ありえない。おそらくは、家庭は崩壊し、登場人物すべてが不幸になるだろう。真次の生存まで危ぶまれる。
戦後のGHQ統治時代の闇市の荒稼ぎで産を成し、実業界の雄にまでのし上がったアムールこと小沼佐吉という人物を創造した筆力と、闇市などの描写力は尋常でなく、文学賞受賞も理解できる。しかし、文学に含まれている人生観と、哲学も重要だ。この作品はアムールを盛り立てるために論理的に無理をしすぎている。そして、語り部であり、証人でもある、サイド・ストーリーの主人公とヒロイン、真次とみち子の人生を少しも考えてやっていない。この二人の人生をつぶしてしまったら、佐吉の成功も何の価値もないではないか。
もっと大きな視点と配慮がほしかったと思う。

メトロに乗って3
映画化もされ、かなり期待して読んだ作品。

しかし、女性の私にとって最後のみっちゃんの行動が腑に落ちません。
あそこまでの行動をさせるには、なぜそこまで彼女が彼を愛したかという説得力をもたせるための書き込みがもっと必要だったと思います。
ただ単に、そうであったらいいという男の人にとっての都合よすぎる行動だったような気がしてしまいました。

父親(アムール)は、凄く魅力的なキャラクターだったと思います。

刻苦勉励する浅田次郎の姿がみえる作品3
私の周りでは、浅田の「プリズンホテル」が好きな人が多い。私も、すきな作品だ。

だが、この「地下鉄に乗って」では、才能という意味では恵まれているとはいえない彼が、
小学生のときから小説家になると決めて、刻苦勉励してきた軌跡が垣間見れる作品である。

設定はある意味では簡単で、地下鉄がタイムマシーンになって主人公を過去に運び、
現在に戻し、また過去に戻し、家族、というユニットと昭和という時代の中で、自己のアイデンティティーを探し求める「旅」の物語である。

浅田次郎が、男を泣かせるポイントに長けてくる過程もかいま見える。
ただ、彼の真骨頂は「ワル」という彼の本当の面を出した作品の方が面白い気がする。

「壬生義士伝」の斉藤一あたりに、それが本当かどうか知りようがないが、
案外彼は自分を観ているのかも知れない。