図南の翼―十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #23910 / 本
- 発売日: 1996-02
- 版型: 文庫
- 425 ページ
エディターレビュー
出版社/著者からの内容紹介
恭国は、先王が斃(たお)れてから27年。王を失くした国の治安は乱れ、災厄は続き、妖魔までが徘徊するほどに荒んでいた。首都連檣(れんしょう)に住む珠晶は、豪商の父をもち、不自由のない生活と充分な教育を受けて育った。しかし、その暮らしぶりとは裏腹に、日ごとに混迷の様相を呈していく国を憂う少女(むすめ)は、王を選ぶ麒麟(きりん)に天意を諮(はか)るため、ついに蓬山(ほうざん)をめざす!珠晶、12歳の決断「恭国(このくに)を統べるのは、あたししかいない!!」
内容(「BOOK」データベースより)
恭国は、先王が斃れてから27年。王を失くした国の治安は乱れ、災厄は続き、妖魔までが徘徊するほどに荒んでいた。首都連檣に住む珠晶は、豪商の父をもち、不自由のない生活と充分な教育を受けて育った。しかし、その暮らしぶりとは裏腹に、日ごとに混迷の様相を呈していく国を憂う少女は、王を選ぶ麒麟に天意を諮るため、ついに蓬山をめざす。珠晶、12歳の決断。「恭国を統べるのは、あたししかいない」。
著者紹介
大分県中津市生まれ。大谷大学文学部卒業。講談社X文庫ティーンズハートでデビュー。ホワイトハートは、壮大なファンタジーを描く十二国記シリーズの『月の影 影の海』(上)(下)巻、『風の海 迷宮の岸』(上)(下)巻、『東の海神(わだつみ)西の滄海』、『風の万里 黎明の空』(上)(下)巻、『図南(となん)の翼』があり、また、本格ホラーでは、『悪夢の棲む家』(上)(下)巻、『過ぎる十七の春』が大好評。
カスタマーレビュー
珠晶の自信
自分もいつのまにか大人の考えになってしまったのかしら…と思います。大人が暗黙の了解のうちに自らを諦め、困難から尻込みして自分の生活だけを守りに入るように、私も自分の幸せだけを願うようになっていたのだと思います。
だからか、読み始めは珠晶の「この世界を何とかしなければ!!誰もやらないから、私がやるのよ!!」という考えが理解できませんでした。自分に自信が無く、前にどんどん出て行くことが嫌いな私は、珠晶のように自分に自信を持って、自分の考えを前面に出し、という人物は半分妬みからすごく苦手でした。だから最初は、陽子や戴麒の話と違って、ちょっと共感できないなと思って読んでいたのです。
でも、読んでいくうちに分かりました。他人のために何かしようと立ち上がる人は目立ちたがりやだ、傲慢だ、自分とは関係ない、自分さえよければいい、、、そんな考えは、結局は私の逃げではないか?ということです。私は、珠晶みたいな人間は半分羨望から嫌いです。でも私は、珠晶のような人物がいなければきっと生きてはいけないのです。責任をそういう人たちに預けて、世が悪くなれば文句だけを言う。自分は何もしないで、責任を負うことから逃げて…。今の日本を支えなければいけない若者も、圧倒的に政治的な事を疎み、自分自身を可愛がることにだけ必死なのではないでしょうか?私は国や政治に関する難しいことは分かりませんが、珠晶のような人物が自分の安寧にだけ固執せずに、皆のために何かを行おうとする希少な人物であることだけは分かります。そしてそういう人が、きっと今の世界にも、たくさん必要なんだということも…。
珠晶はかっこいいです。そうやって素直に言える人になりたい。人のために、誰もが疎むリーダーになろうとする人を、「かっこわるいよねー」なんて言っていた自分を心から恥じます。珠晶は子どもですが、私はもっと子どもだったんだな、と思います。
自分の考えを改めさせられるほど、心にずしんとくる一冊。
少女小説の傑作
もちろん、大人が読んでも楽しめる作品。
でも、ここはやはり10代後半の女の子(男の子でも良いけど)に
はりきって読んで欲しいと思います。
わたしはこの中に書かれている「プロを敬う必要性」を
高く評価したいですね。
それに、オトナの理屈の他面性。
オトナにはそれぞれの理屈があって、
それはどれも、一面で正しく、一面で間違ってて、
その狭間で非常に悩んだり憤ったりするのが10代後半。
(二十歳を過ぎころには割り切れちゃったりするから)
「世界には飢えた子がいる」とか言い出したり、
「100人の村」みたいな本を薦めるような
わかったふうなオトナに感化されてしまうと
道を切り開いて生きる力がなくなっちゃいますからね。
そういうオトナの言動に不満をかんじる少女にオススメ。
勇気付けられる作品
初めはこの分厚さに躊躇する方もいるかもしれないが、むしろこれだけ素晴らしい作品がこれほど読めることに感謝した方がいい。
主人公は珠晶、荒れている恭国の王になるべく蓬山を目指すがなんと12歳の少女。まだ世の中を知らない金持ちの娘の道楽だ、と周りの目には映る。実際わがままで生意気に見えるかもしれない、私も途中読みながら共感出来ずにいた。そんな彼女の前に立ちはだかるのは厳しく汚い現実だった。こんな子が王になれるはずない、皆そう思うだろう。しかし、珠晶はへこたれない。これは彼女が麒麟に出会うまでのけして楽とは言えない苦い話だ。
終盤に差し掛かるにつれて彼女の考えがぽつりぽつりと語られ、いとおしくならずにはいられなくなる。小さい体でこれだけ頑張ろうとしている彼女には尊敬の念さえ抱く。読み終わる頃にはこの少女が大好きになっているだろう。
物語を超えて何か生きる意味や大切なことを教えてくれる、心が温かくなれる作品だ。





