ニサッタ、ニサッタ
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #56532 / 本
- 発売日: 2009-10-21
- 版型: 単行本
- 513 ページ
エディターレビュー
内容紹介
ネットカフェ難民なんて他人事だと思ってた
会社の倒産をきっかけに、何をやっても裏目裏目に。気がつけば負け組のワーキングプアになっていた青年を主人公に、現代の幸福を探す、直木賞作家の長編小説!
内容(「BOOK」データベースより)
最初の会社を勢いで辞め、二番目の会社が突然倒産し、派遣先をたて続けにしくじったときでも、住む場所さえなくすことになるなんて、思ってもみなかった。ネットカフェで夜を過ごすいま、日雇いの賃金では、敷金・礼金の三十万円が、どうしても貯められない。失敗を許さない現代社会でいったん失った「明日」をもう一度取り返すまでの物語。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
乃南 アサ
1960年東京生まれ。’88年『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。’96年『凍える牙』で第115回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
まさに現代日本社会。いとも簡単にドリフトしながら落ちてゆく若者、耕平。謎の女性杏菜。何が彼らに明日への希望をもたらすのか・・・。
ニサッタという意味を知っていましたので読んでみました。この作者はミステリー、サスペンス作家として知られていて、この作品は趣が異なると言われているようですが、やはり作者の根底に流れている作風は感じられる。前半のしょうもない耕平が激しい現実に直面して、心、生活が変化していく過程を実にうまく描写している。このまま転落していくのか?このままでは、ニサッタの意味がなくなる。この暗い現実を場所を北海道に移動させて、作者は、謎の女性・杏菜、耕平の祖母、母と耕平を温かい糸で結び、その中で杏菜の重い秘密を明らかにする。それによって、しょうもない耕平の人生観が変わる。最後は耕平も杏菜にも絶望から希望のあるニサッタ(このアイヌ語の本当の意味は深い)へ。現実的な絶望感で終わらせなかったのは良いと思う。明日への“希望”のREBIRTH!かな。
お薦めです!
欠かさず読んでいる乃南アサさんの新作です。
ページ数は500ページ以上ありますが文体と内容の読みやすさで一気に読めました。
簡単に言えば何をやっても裏目裏目に出る片貝耕平(かたがいこうへい)と言う男の物語です。
この主人公程ひどくはなくても人は誰でも「何をやっても上手くいかない時」が多かれ少なかれあると思います。
この主人公が最悪な心理状態に陥るまでの過程が手に取るように完璧な人物描写で描かれて行きます。
途中から登場する少し(かなり?)謎のある竹田杏菜(たけだあんな)の描写も脳内映像で勝手に動き出すくらいに
わかりやすく描かれていて先が気になってしょうがありませんでした。
そして主人公片貝耕平のお祖母ちゃんの言葉や動作には胸を打たれます。
5章まではこの先一体全体どうなる事かとハラハラでしたが6章では思わずホロっとさせられて
人間の弱さと共に暖かさを存分に感じる事が出来ました。
エピローグで思わず笑顔にさせられる様な、読後感も爽やかな作品に仕上がっています。
今、落ち込んで迷っている方に是非読んで欲しい1冊です。
タイトル、ニサッタ、ニサッタ(明日、明日)と思える様に!
消えてしまいたくても生きなければならない理由
乃南アサさんの最新作です。
勢いで会社を辞めたものの次に就職した会社は前触れもなくアッサリ倒産。
ようやく新聞配達の店に住み込みで働く事になった主人公。
この店で曰くだらけの人間に囲まれながら何とか新しい生活を始めたところに、色気も何もない一人の少女が同じように住み込みでやって来ます。
「なぜ彼女はこんな所に一人で住み込みしながらキツイ新聞配達を?」と疑問に思いながらも、忙しいだけの日常が彼らの横を通り過ぎて行きます。
この主人公、マジメに健気に生きているわけでは決してなく、典型的な甘チャン野郎。世間をナメ切ってテキトーを繰り返す。このワカゾーの描写がツボを押さえており見事です。
なぜか主人公に寄り添おうとする少女。このいたいけな少女が背負った陰の部分と甘チャン主人公の我儘で
傍若無人な言動を柱に、物語は展開して行きます。
そして遂に自分の愚かさを痛感する主人公。
あらゆる事がうまく行かず自暴自棄になって「もういいだろう。消えてしまいたい」などと思ったとしても、それでもなぜ人は生きて行かなければならないのか。自分は何によって“生かされている”のか…。
よくある小説のテーマですが、大上段に振りかざすような切り口ではなく、スムーズに流れるストーリーから湧き出るような自然な感じでこの普遍的なテーマを説く、とても良く出来た小説だと思いました。
途中で時々登場する、主人公の祖母の一言一言がとてもいい。
この祖母の存在がこの小説の陰のMVPでしょう。




