吉田茂 ポピュリズムに背を向けて
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #157921 / 本
- 発売日: 2009-04-21
- 版型: 単行本
- 387 ページ
エディターレビュー
内容紹介
日本を独立させた男の気骨溢れる生涯 敗戦の中で誇りを失っていた日本人のなかで、敢然と占領者に立ち向かった吉田茂。国民的宰相の痛快な人生とドラマチックな「サンフランシスコの日々」を描く
内容(「BOOK」データベースより)
日米開戦阻止、投獄、日本国憲法制定、サンフランシスコ講和条約締結―。「宰相の器」とは?未曾有の国難に立ち向かった気骨溢れる男の生涯。
内容(「MARC」データベースより)
「宰相の器」とは? わが国の独立回復という偉業を成し遂げた吉田茂という不世出の政治家の半生を振り返りつつ、彼が万感の思いでサインしたサンフランシスコ講和条約の意味をもう一度確認する。
カスタマーレビュー
吉田茂のルーツと成果
最初4分の1は、吉田茂のルーツといえる実父や養父、家庭環境などの話。次の4分の1は、外交官時代の話。そして、戦後に初入閣して政界で活躍していく話が次の4分の1で、最後は、サンフランシスコ講和条約中心の話となっています。
私は吉田茂に関する本を読むのは初めてで、当時のようすなどまったく知らず、時代背景の不勉強さから分からないところもありました。しかし、全体としてまとまりがあったこと、及びおもしろおかしい逸話が随所に紹介されていたことなどから、全体として興味深く読ませていただきました。
断片的に印象に残っている部分を書けば、たとえば最初のあたりで吉田茂の養父の紹介があります。彼はこれからは英語の時代だといって、英国に密航を計画。密告は成功して、2年間イギリスに滞在することになります。明治維新前の時代に、命をかけて密航して英語を学ぶ、そういう気概のあった養父だったらしいです。吉田茂はあまり養父と接する機会は少なかったといいますが、それでもこうした雰囲気が吉田茂の性格形勢に与えた影響は大きかったろうなと思ったりしました。で、養父は英語力を利用して、ビジネスで成功。しかし若くして亡くなり、その遺産は吉田茂に転がり込みます。この莫大な遺産が吉田茂をつくったという感じらしいです。
政界に入ってからの吉田茂を紹介する部分では、本書のタイトルにもあるように、有権者におもねらない政治家としての逸話が興味深かったです(選挙区に赴かないことを提案したり、選挙区からの鉄道建設の以来をにべもなく断ったりするなど)。
欲を言えば、講和条約が日本外交上どれほどの意味があったのか、ということをもう少し説明していただきたかったという感想は持ちましたが、吉田茂という人物の性格や気概といったものを十分にイメージでき、まったく知識のなかった私にも伝わってきて興味深く読ませていただきました。
今の時代にいて欲しいと思う政治家像
吉田茂は、おそらく日本で歴代最も人気の高い首相と思われるが、既に没後40年以上経っており、彼の偉業や当時の日本の置かれていた環境なども人々の記憶から薄れつつあるのではないかと懸念する。そんな今日、戦前から戦中の日本の状況と戦後独立を回復するまでの経過を吉田茂という人物を中心にして、本書は分かり易く、見事に描いている。
吉田は米国の軍人・外交官から戦前「外交感覚のない国民は必ず凋落する」と言われる。外交官出身にして首相となった吉田にとってこの言葉は忘れられない言葉であっただろうが、今日の日本に照らし合わせて果たして我々は健全な外交感覚、或いは客観的かつグローバルな視点を持っているかと自問する。世界第二位の経済大国となった日本であるが、戦後の占領時代を経て再び独立を獲得したあの時代、先達の苦労を忘れてはならないことを思い出させてくれる一冊である。




