官僚との死闘七〇〇日
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商品の詳細
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- 発売日: 2008-07-31
- 版型: 単行本
- 285 ページ
エディターレビュー
内容紹介
官僚支配に挑んだ「改革バトル」の真実
「税金が増えたら使ってしまえ!」――この国を裏から操縦する「闇の権力構造」の恐るべき腐敗、エゴ、謀略。既存の「政府与党vs.野党」の枠組みを真っ二つに割る著者と高橋洋一ほか極秘チームの戦争を「実名」現場報告!
「私は、この本を改革バトルの戦場ルポのような気持ちで書いた」と、この本は書き出されます。
著者は東京新聞の論説委員。地方配属のあと東京本社で経済記者となり、一貫して経済・財政・金融分野を取材。留学や海外駐在を経て論説委員となったエリート記者でした。取材を通じて財務省に多くの知己を作り、請われて財政制度等審議会臨時委員や政府税制調査会委員となりました。増税による財政再建路線を支持する「財政タカ派」だった著者は、財務省にとってまことに都合がいい応援団……のはずでした。
ところが、国益を掲げながら、じつは既得権益を温存し、「省益」に最大価値を置く官僚支配の真実を、著者は知り過ぎてしまいます。そして決定的な出会いを経験します。「官僚すべてを敵に回した男」高橋洋一です。
官僚支配こそ、もっとも不合理で国を危うくしている元凶ではないのか――。著者は「財政タカ派」を捨て去り、あるきっかけから出会った安倍晋三側近に依頼されて、高橋洋一とともに安倍政権成立前から安倍を支える極秘チームを結成します。極秘チームは年金改革、税制改革、道路特定財源の一般財源化、公務員制度改革といった一連の重要政策メニューを安倍総理と改革派政治家に提案し、それに反対する官僚たちと「改革バトル」の死闘を繰り広げていきます。タイトルに「七〇〇日」と付けたのは、安倍政権成立前から現在までのおよそ2年間の死闘であること、この死闘はけっして終わっておらず、その長い死闘の中間報告であることを意味しています。
改革とは机上の論理で勝負がつくもものではないこと著者は思い知らされます。戦える人が、戦える場所で、霞が関文法のウソを見破って、戦えるプロセスを綿密に設計しなくては勝てないのです。官僚組織はあまりにも強大です。妨害工作、スキャンダル暴露合戦、言葉のトリック、総理に出すペーパーに綿密に仕掛けられた罠。極秘グループは連戦連敗、勝利の美酒を飲んだ回数のほうが少ないくらいでした。しかし著者や官僚たちの思惑を超える時代の大きな歯車は、確実に著者たちが掲げた改革の方向へ、否応なしに進んでいくのです。
この本には多くの実名が登場します。著者もはじめて自らの存在を明かし、実名で語りました。覚悟の上の刊行です。財政制度等審議会臨時委員や政府税制調査会委員等、多くの政府委員を務めたジャーナリストにして、ここまで官僚機構中枢の内情を描いた本が、かつてあったでしょうか?
内容(「BOOK」データベースより)
官僚支配に挑んだ「改革バトル」の真実。「税収が増えたら使ってしまえ!」―この国を裏から操る「闇の権力構造」の恐るべき腐敗、エゴ、謀略。既存の「政府与党vs.野党」の枠組みを真っ二つに割る。著者と高橋洋一ほか極秘チームの戦いを「実名」現場報告。
内容(「MARC」データベースより)
「税収が増えたら使ってしまえ!」 この国を裏から操る「闇の権力構造」の恐るべき腐敗、エゴ、謀略。既存の「政府与党vs.野党」の枠組みを真っ二つに割る、著者と高橋洋一ほか極秘チームの戦いを「実名」現場報告!
カスタマーレビュー
ジャーナリストが当事者として書く出色の実験ノンフィクション
私は、ジャーナリストがここまで当事者として踏み込んで書いたものをこれまで読んだことが無い。
出色のノンフィクションの実験作だと思う。同時に、ジャーナリズムがどこまで「客観的に」真実に迫れるかというナイーブな議論が今こそ必要だと思わせる、たいへん考えさせる本だった。
論理的整合性がなければ破綻する政策立案過程と違って、政策決定過程には多方面の利益関係人が調整にかかわるために人間臭く、それぞれの行動主体の世界観なり倫理観なりが裸同然で表出するものだと思う。著者が本で認めているように、おそらくこうした政策決定過程に直接たずさわる人たちにしか目にし、感じることができない肌寒くなるような本書で書かれた現実は、政策決定過程関係者のバイアスがかかった、あるいはある方向へリードしようとする、誤解を恐れず言えば生ぬるい二次情報とは、相当違う感触のものだったのではないかと思う。
以上のことから、こうした事実過程に関わった当事者がインサイダーとしてモノを書くとき、二次情報からネタを得て記事を書くジャーナリストとは、書き方が違って当然だ。読者のほうも、取材対象との距離感といったノンフィクションを読む通常の作法とは違う態度が迫られているのではないか。これも著者がこの本で行った「実験」のように思える。
そういう読み方をすると、この本の著者の執筆スタンスを、ジャーナリストとして適当か否かという議論から判断するのは難しい。著者本人もそんな議論があることは百も承知の上での出版なのだろう。
それより意味があるのは、中枢にいた当事者が書いたものをどう読んだらいいのか、という議論だろう。
情報過多な分野であればある程、二次情報の数は多く、その中身は希薄化する。この本の舞台になった総理官邸のように、その内側で起きたことは、ほんの数人しか直接目にできないのに対して、そこで起きたことが政策決定過程に及ぼす影響は大きく、そのぶん出来事の重要性も高いだけ、利益関係人が多い。ごく少数の当事者の情報と、数多い利益関係人による二次情報。情報入手の難易度と価値は、情報過多な分野であればある程、正比例する。
そういう意味からいうと、この本で書かれた情報は、「マスコミでよく聞いた話」とは、表面だけ見れば同じでも、そうした「話」の出所であったことに注意を払わなくてはいけない。「話の出所」がどこに存在し、マスコミによってどう扱われるかを、この本は結果的に示すことになった。マスコミに載る記事を、どこかうさんくさいと感じている読者にとっては非常に腑に落ちる物語であるし、記事の信憑性を担保するものは本当のところ何なのかに迷う大手マスコミに所属するジャーナリストにとっては、とても悩ましい内容だと思う。
「さらば財務省!」を読めば充分
小泉改革、途中で頓挫したものの安倍内閣が推し進めようとした諸改革において、「さらば財務省!」の著者高橋洋一氏のいわば内助の功が大きかったことは同氏の著書などで広く知られるところである。
本書は、高橋氏と同士関係にある著者および本書では「教授」とだけ記され名前が伏されている学者らがこうした改革をいかに陰で支えていたかを記したドキュメントである。もうひとりの目からみた「さらば財務省!」といったところだろうか。
内閣官房副長官が公務員改革に抗う醜悪ぶりなども実名で書かれているなど、最後まで飽きずに読むことは出来る。しかし、ジャーナリストの仕事としてはマズイのではないだろうか。
本来、事実を冷静、客観的な目で追うべきが、ジャーナリストである本人自身が主人公として物語のなかに登場し、しかも、陶酔してしまっているので、書いてあることが事実かどうか分らない。その陶酔ぶりにも、読んでいる方は興ざめしてしまう。著者たちは疑うこともなく安倍支援で突き進んでいるのだが、上杉隆氏の「官邸崩壊」などに書かれている官邸の惨状を読むと、何でそこまで官邸を信じて突き進めるのか少し不思議でもある。それに、ここに書いてある著書の行動が本当ならば、政治に首をつっこむという点で、スケールの小さいナベツネみたいな感じでもあり、ジャーナリストの本分なのか疑問である。
さらに、著者のプロフィールからみても引っかかる点がある。各審議会の委員をやっている(いた?)ようだが、メディアの記者が審議会の委員をやってこられたということは、相当各省庁に迎合気味の記事も書いてきたということではないだろうか。少なくとも全くなかったとはいえないのではないか。それで「官僚との死闘」と言われても、戸惑ってしまう。
「さらば財務省!」を読んだ人は、それだけで充分だ。
湘南ダディは読みました。
長谷川さんは東京新聞や中日新聞の論説委員で政府の税制調査会や財政制度等審議会の委員をしている方で、今はすっかり有名人となっている元財務省の高橋洋一さんやこれも名をあげれば高名な経済学者たちとアンオフィシャルなチームをつくり安倍総理の改革路線をサポートしようとした方で、本書はその奮闘記。日本の政治は政治家によって行われるのではなく、官僚の書いたシナリオに従って政治家が丸暗記したセリフを語っているだけだとよくいわれますが、本書を読むとそのタイトルの通り、官僚たちの執拗かつ策略的な牛耳たがり屋ぶりがよくわかります。
bureaucracyという言葉は、英語的なニュアンスだけでいうと小役人主義というか紋切り型というか、あまり良い雰囲気をもたない言葉です。日本でも元来、官僚的というのはそのような意味合いだったのでしょうが、本書を読むとまさに官僚支配制度とも訳すべき霞ヶ関の実態がうかがえます。 大臣や官房長官を歯牙にもかけず、省益を優先させて政局を強引に捻じ曲げようとする官僚や、政治家としてのポジショニングをあげるためにも官僚のいいなりになる霞ヶ関応援団となる「過去官僚」議員が本書のなかで実名で登場します。米国では大統領がかわると多くの官僚たちも入れ替わると聞いていますし中国などでは圧倒的に政治家のプレゼンスが大きいように思います。日本では結局、政治家が官僚たちの言うことをきかざる得なくなるのは、いろいろ理由がありそうですが、最大の原因は政治家たちのレベルの低さと政治哲学の無さなのでしょう。各省にかかわる腐敗や癒着、怠慢、非効率などが四六時中、紙面をにぎわせてそれなりにジャーナリズムや世論の糾弾をされているのですが、一向にそれらは改善されることなく続いています。それは国民として誠に腹立たしいのですが、本書を読み終えると省庁の構造改革などは道遠しという暗澹たる気分になります。





