中原の虹 第三巻
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #12910 / 本
- 発売日: 2007-05-16
- 版型: 単行本
- 376 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
相次ぐ革命勢力の蜂起に、一度は追放した袁世凱を呼び戻す皇族。だが俗物、袁世凱には大いなる野望があった。満洲では張作霖が、まったく独自の勢力を形成していき―。龍玉を握る張作霖は乱世を突き進み、新しい時代が、強き者の手で拓かれる。
内容(「MARC」データベースより)
相次ぐ革命勢力の蜂起に、一度は追放した袁世凱を呼び戻す皇族。だが俗物、袁世凱には大いなる野望があった。満州では張作霖が、まったく独自の勢力を形成していき-。人間の強さと美しさを描く中国歴史小説、白熱!
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
浅田 次郎
1951年東京都生まれ。95年『地下鉄に乗って』で第十六回吉川英治文学新人賞を受賞。97年『鉄道員』で第百十七回直木賞、2000年『壬生義士伝』で第十三回柴田錬三郎賞、2006年『お腹召しませ』で第一回中央公論文芸賞および第十回司馬遼太郎賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
国家のエリートを選抜する科挙というしくみの功罪
清朝を支えていた西太后が第二巻の最後で亡くなりました。物語の上でも、歴史の上でも巨星を失った清朝は、最後の迷走をはじめます。
歴史の教科書で教わった記憶では、すぐに孫文が革命内閣を創設したような印象があります。しかし、ここまでゆっくりと主人公たちの運命を追ってきた小説が、急にテンポを速めるわけはありません。
溥儀を支える皇族内閣は、軍のトップである袁世凱を引退させることに成功しました。 しかし、革命軍の蜂起が南方の諸州で成功し、袁将軍のいない軍隊が役にたたない状況を何とかしなければ、王朝の滅亡も目前となってしまいました。
この八方さがりの状況のなか袁将軍が復帰。予想通り、清王朝の権威と権力を一身に集めようと、ひとつ一つ手を打っていきます。
かたや『中原の虹』の主人公張作霖は、着実に中国東北地方を手中に収め、中原の覇を得ようとして、いよいよ万里の長城を超えんとしています。
西太后という語るべきことの多い登場人物を失った第3巻は、第4巻の大団円に向かう助走のように、淡々と清朝の衰亡が描かれていました。物語としては盛り上がりに欠ける中継ぎのような巻でしたが、浅田氏が強調していたのは、国家のエリートを選抜する科挙というしくみの功罪でした。
中国では、遠く隋の時代から科挙制度が続いており、合格時の成績とその後の役人としての働きぶりによって人間の実力を判定してきました。それは、多くの国が貴族身分の人間(家門と経済力に恵まれた特権階級)によって運営されていることに比べると、公平な制度です。
しかし、この制度が見落としてしまう人間が多かったのも事実。そんな人材が、この物語のような動乱の時代には、実力を発揮するチャンスに恵まれます。
袁世凱がその代表です。
国家とは何か。民の平安とは何か。民を安んずる真のエリートとは何か。浅田氏の問題提起たっぷりの第3巻でした。
西太后亡き後の世界
清朝は、内憂外患・・の言葉どおり、
海外の列強各国からは蚕食され続け、
国内は、軍閥のよる分断された地方支配・・。
東北三省を握るのは、馬賊の頭領、張作霖。
中央の政界は、いったん皇族内閣が袁世凱を引退に追い込んだものの
軍を統制できないため、各地に起こる革命軍の蜂起を抑えることができず、
再度、袁世凱が復活する。
中国民衆にとっては不幸な時代でした。
ところで、
この巻、感情移入すべき主人公が不在のため、
小説としては、散漫な印象になってしまっていたのが残念でした。
大丈夫だろうか・・・・・・
私は浅田次郎先生の大ファンである。
前作「蒼穹の昴」では久しぶりに泣かされてしまった。
しかし・・・・・・。
今作『中原の虹』はどうも、ぱっとしない。
第1巻は文句なしに面白かった。
清朝末期という激動と混沌の時代、そこに咲いた一輪の徒花・張作霖。
それを聞いただけで、「うおおお、キターーー!!」と、ガラにもなくテンションを上げたものだ。
しかし、第2巻からどうも感情移入できずにいる。徒に長いモノローグに煩わしさすら感じてきた。
理由を考えるに、どうも魅力的なキャラクターが欠けている気がしてならない。
前作の主人公・李春雲は政治的・物語的第一線から退いてしまったし、稀代の女傑・西太后はお隠れになり、天下第一等の才子・梁文秀はメインキャストですらなくなった。
その他、前作を彩った魅力溢れるキャラクターの多くが舞台から降りてしまったり、いまひとつぱっとしない役に降格してしまった。引き続き現役で頑張っているのは袁世凱のジジイだけである。
代わって舞台の中央に駆け上がったキャラクターはというと、主人公・張作霖ただ一人である。
第一巻で李春雲の兄・李春雷が登場したが、存在感は薄い。あくまで脇役であって、この先物語に絡むことがあるんだろうか?という心配すら抱かせる。
第三巻で一番ゲンナリしたのが、歴史的な転換点に西太后の亡霊が介入した、という件である。死人に口を出させるくらいなら、生きてるキャラクターを絡ませろよ!と、本気で失望してしまった。
とは言え、第四巻が発売されれば、私は間違いなく購入するだろう。
期待しているわけではない。
これはもはや義務感と義理、多少の意地である。





