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イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策 1

イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策 1
By ジョン・J・ミアシャイマー, スティーヴン・M・ウォルト

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  • 発売日: 2007-09-05
  • 版型: 単行本
  • 366 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
米国の国論が変わった。アメリカの政策を歪めてきたのは誰か?

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ミアシャイマー,ジョン・J.
1947年生まれ。シカゴ大学ウェンデル・ハリソン記念講座政治学教授(国際関係論)。米中衝突を予言し、「オフェンシヴ・リアリズム」理論を提唱。米国のイラク侵攻を非難して、ネオコン学者と対立する

ウォルト,スティーヴン・M.
1955年生まれ。ハーヴァード大学ジョン・F・ケネディ行政学大学院教授(国際関係論)。「脅威の均衡」理論を提唱。ミアシャイマーとともに、米国のイラク侵攻を非難して、ネオコン学者と対立する

副島 隆彦
1953年福岡市生まれ。早稲田大学法学部卒業。銀行員、予備校講師を経て、常葉学園大学教授。政治思想、法制度論、経済分析、社会時事評論、言語研究などの分野で、評論家として活動。日米の政財界、シンクタンクなどに独自の情報源を持ち、日本人初の「民間人・国家戦略家」として、日本は国家として独自の国家戦略を持つべきだ、と主張している。副島国家戦略研究所(SNSI)主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

米国の対イスラエル&中東政策に対する疑問が氷解する5
 アメリカの中東政策を白日の元に曝した一冊です。国や主義を超えて一般人の
素朴な疑問である・・・

・何故にアメリカは(世界から反感を買ってまで)イスラエルの側につくのか?
・何故にアラブ強硬派と話をしないのか?
・そもそもの話、アメリカ−イスラエルの同盟はアメリカの利益になっている?
・イスラエルが彼の地で行っていることは、彼らが有史以来あちこちで、自分
 たちが受けてきたことと同じではないのか?他人の痛みはより理解出来るのでは?

 ・・・なんてことを数々の証拠を元に(それも公になっているものの方が
割合として多い)喝破しています。

 決してこの本はイスラエルの生存権を認めていないものではありません。
ユダヤ人の辛苦の歴史も十分認識しています。

 なのにこの本はアメリカでは無視されています。いや、それ以前の問題です。
「自由の国」を国是にしているにも関わらず、この本は公にならなかったのです。
(この本の底本になった論文はイギリスで発表された)

 上巻の中身は乱暴に書けば以下の通りです。

・イスラエルはアメリカを必要としていても、アメリカはそうではない。
(イスラエルへの最大援助国はアメリカ。とは言え、イスラエル軍と組んで
 何かを行うことは、アラブ穏健派の立場を悪くするので出来ない。結局、同盟
 の意味が無い)

・イスラエル(とそこに住むユダヤ人)が善、アラブは悪・・・ではない。
 さらにアメリカの世論で一定の割合を占めている「道義的な理由」で
 イスラエルを援助しなくては・・・という理由も実は幻。

・そもそもイスラエルロビーとは何なのか?
 とてつもない一大勢力を想像するが、実は組織ごとに見れば他のロビー団体と
 変わらないのだと。違うのは財力と、有事の(各団体で調整を行う訳では
 無い)連体力に優れている。

・そしてその力を持って政界に圧力をかけ、またマスコミや学会への圧力に
 より、世論を誘導する。
 興味深いことに、普通のアメリカ人も対イスラエル政策には1/3から半数の人が
 反対している。

 寝食を惜しんで読む価値のある一冊です。

最強の国の脆い一面5
 以前から「なぜ米国はあんな得にもならない中東政策を採り続けるのか」と疑問に思っていたが、それがすっきりと氷解した。本書では、けして多数派ではない一民族が、アメリカの意思決定を事実上支配する様子が描かれる。
 連邦議員は常にイスラエル支持を求められ、応じなければ対抗馬に大量の資金とメディアによる賛辞が加えられる。議員となった後も、少しでも意に沿わない発言をしようものなら強力な圧力に晒される。これはアカデミズムの世界も同様で、職を失うリスクのせいで、自由な議論は影を潜める。民主も共和も関係ない。イスラエル関係の議案は、党派の垣根を越えて議員の意見が集約されうる数少ないテーマだ。こうして、「常に無条件のイスラエル支持」が生まれることになる。ブッシュやクリントンは歴代大統領の中ではむしろ中立派だったものの、議会の横断的圧力にさらされ、徐々に政策をシフトせざるをえなかった。それがレバノン侵攻、イラク開戦、シリア、イランとの対決路線につながったのだ。
 重要なのは、これら歪んだイスラエル支持政策がアメリカはもちろん、イスラエルの利益にもつながっていないこと。強引な植民地政策と強硬路線は周囲との軋轢を生み、終わりの無いテロの温床となってイスラエルを圧迫する。そしてそれを支援するアメリカは、世界中から憎悪を集める。本書はすごく遠まわしであるが、9.11テロについても、イスラエルロビーが無ければ発生しなかっただろうと推測する。
 ボリュームのある大著であるが、充実した良書。これがアメリカ人から出てきたことは、今後の変化を意味するのか(国内での出版は断られ、初出はイギリスらしいが)。今後に注目だろう。しかし、アメリカという最強の国家は、開かれた民主主義国であるがゆえに、うちなる敵に対してはこれほどに脆いものなのか。僕が懸念するのは中国人だ。数と豊かさと結束力を持つ彼らがこの先、アメリカの意思決定を握る可能性はけしてゼロとはいえないだろう。

何が外交政策を決定するのか?4
 本書の論旨は、ユダヤ人ロビーがアメリカの中東政策を大きく歪めており、そのような政策はアメリカの国益から乖離している、というものである。この種の議論はアメリカではタブーに近いものであり、また学術的にも検証されてこなかった。しかしウォルト、ミアシャイマーというアメリカを代表するリアリストの国際政治学者がこのような書籍を発表したことは、アメリカで大きな反響を呼んだ。国際政治学者として著名な二人が敢えてこのような本を上梓したことは、勇気のいることであろうが、それ以上にこのような提唱をせざるを得なくなっている、アメリカの知識階層の危機感が読み取れる。ただし訳に若干難があるので星4つとしたい。