新ハーバード流交渉術 論理と感情をどう生かすか
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #55151 / 本
- 発売日: 2006-06-27
- 版型: 単行本
- 310 ページ
エディターレビュー
出版社/著者からの内容紹介
感情を制するものが交渉を制する
なぜロジカルな説得だけで、相手は「イエス」と言わないのか?
超ロングセラーハーバード流交渉術の新展開!
●5つの欲求に注目しよう
この本は交渉者が感情を扱うために必要な、強力なフレームワークを提供する。認めようが認めまいが、感情は交渉に影響を及ぼしている。次々起こり変化する感情に毎回反応し対処するよりも、5つの核心的な欲求(価値理解、つながり、自律性、ステータス、役割)に注意を向けることが大切だ。多くの場合、この核心的な欲求こそが交渉中に発生する感情の源であるからである。交渉者が持つ社会的な欲求を満たすことで、交渉相手と自分にポジティブな感情を呼び起こし、驚くほど交渉をうまくすすめることができるようになる。
内容(「BOOK」データベースより)
なぜロジカルな説得だけで、相手は「イエス」と言わないのか?超ロングセラーハーバード流の交渉術の新展開。
内容(「MARC」データベースより)
交渉者が持つ社会的欲求を満たすことで、交渉相手と自分にポジティブな感情を呼び起こし、驚くほど交渉がうまくいく! 超ロングセラー、ハーバード流交渉術がパワーアップして登場。人間関係の形成・維持・発展にも役立つ書。
カスタマーレビュー
感情は何がそうさせているのか、五つの欲求に探りを入れるのが交渉の準備だ
ロジャー・フィッシャーの著作を読む順序としては、’Getting to Yes’が先なのだろうが、意思決定論、交渉論の印南一路先生の著作を読んでいたので、先生が訳された本著’Beyond Reason’を先に読んだ。
そもそもわが国には、著者のような企業紛争から国際対立まで交渉のプロフェッショナルが、実践面で活躍されておられるのか、素朴な疑問である。著者紹介には、アメリカ、イスラエル、南ア、エクアドル、ペルーそのほかの交渉実績が載っているが、公開していない事例も多くあるのだろう。どちらも、知りたいところだ。
何がハーバード流なのか。印南先生が、まえがきにぎっしりと詰まった解説を付けてくださったので、よく読めばあらまし分かる。交渉を、殴り合うボクサーのイメージから転換し、困難な問題に対して共同で解決に当たる意思決定の問題と捉えること(p.2)がハーバード流原則立脚型交渉術と呼ぶようだ。交渉に当たる人や立場という格闘から離れて、自他が交渉で何を実現することが利益になるのかという関心利益実現のために、「賢明な合意」を協働してつくるにはどうするのか、という方法論を指す。
何が、新なのか。関心利益型交渉の理論の説明不足を補った点である。困難な交渉をしているときに、どうやって感情や人間関係の問題に対処したらよいのか(p.16)という問題意識である。本論で議論する、ポジィティブな感情を生み出し、ネガティブな感情に対処する戦略を扱う。
感情が生じる核心的な欲求、それは五つある。覚えるにはちょっと多いが、そこはアメリカなので。1)価値理解、2)つながり、3)自律性、4)ステータス、5)役割の五つである。欲求という概念が感情を引き起こす点の論及こそ、本書の使命である。ほかに、交渉プロセスの7つの要素というのもあり。
目次、章節まで。索引なし。参考文献あり(英文文献のみ)。ひもあり。
交渉における感情の重要性
著者は、ハーバードのロースクールで長年「交渉術」を講じているということで、丁々発止と交渉し相手をやり込める術が書いてあるかと思いきや実はさにあらず。そういうレベルでの勝ち負けにこだわるのでは、真に自分が欲する利益を実現することはできませんよ、という本なのです。
交渉相手を自他の共同利益を実現するパートナーに引き込むために、著者は自他の感情に大きな影響を与える次の5つの欲求に注目します。
1.価値理解
共同利益追求のためにまず相手の真に欲するところ、尊重して欲しいことを知りましょう。そして自分自身も面子や行きがかりに囚われずに真に欲するところを理解するなら、自然と相手 にそれを伝えられるようになるでしょう。
2.つながり
交渉相手を自分と全く異質な悪魔と同一視する愚を避けましょう。交渉の場を離れたら、相手には実は子を思う親・上司に気兼ねしなければならない部下など、自分と何らかの共通項が あるかもしれません。
3.自律性
意思決定に与える影響力を最大限保持しましょう。権限の有無と影響力の有無は異なります。そして相手もそのような影響力を持ちそれを行使する意思を持っているので無視してはいけ ません。
4.ステータス
どんな人間にも社会的地位に左右されない尊重されるべきステータスがあるものです。相手のステータスに気づき尊重し、また自分のステータスを相手に気づかせ尊重するように仕向け ましょう。
5.役割
役割とはただただ組織に与えられる職務分掌のようなものに留まりません。自分が本当に有意義と感じられる役割を発見し他者に発信してゆきましょう。また、他者の望む役割や他者が 自分に望む役割について鋭敏であれ。
事例も、夫婦間の週末の過ごし方をめぐるトラブルから国家元首同士の長年の紛争解決交渉まで様々なレベルを取り上げていますが、そのようなレベルの違いを意識させることなくいずれも最適なものがあげられており、全体的にこなれた印象を与えます。
争いではなく協調の大切さについては数理的に解説した本(ゲーム理論など)や、感情や記憶など心の働きについてはそれらが我々の経済活動にいかに影響およぼすかを書いた本(eg.友野典男「行動経済学」光文社2006年)などがよく売れています。本書は、それらの知見が隆盛になる以前に発刊された本を元にしていますので、今となっては古典的な趣もありますが、あわせ読むことで人間行動・心理の複雑さを理解できるかもしれません。
意見が食い違った時、ポジティブな感情を相手から引き出すことで、交渉を成功させよう!という趣旨の本
この本は、意見が食い違った時、ポジティブな感情を相手から引き出すことで、交渉を成功させよう!という趣旨の本である。
一般的な交渉テクニックは同じ筆者が書いた「Getiting to yes」に紹介されており、この本はその補完的位置づけ。
一番の論点としては、どうすれば相手からポジティブな感情を引き出せるのか?になる訳なのだが、その疑問に対する、最もオーソドックスな回答としては「相手の感情の原因を理解し、対策を練る」があるのかもしれない。
しかし、交渉は限られた時間で行われるものであり、その時間の中で相手の感情を調査・分析して対策を練る余裕はないのが普通だ。
そのため、筆者は「人間なら誰もが持っている核心的欲求を知り、それを満たしてあげることで簡便に相手からポジティブな感情を引き出してしまおう!!」ということを提案している。
そのため、本の大半は人間の核心的欲求とは何か?どのようなものか?という解説と、どうすればその欲求を充足させることが出来るか?という方法論に割かれている。
「核心的欲求」の内容に共感できるか否かが、この本を愛せるか否かの分かれ目だと思うのだが、個人的には共感できた。
「人間が求める自分の意味(重要性)は、多くの場合、対人関係において生じる」という考えが、「核心的欲求」の前提条件なのだが、それに共感できたのが大きいのだと思う。
で、交渉学としての評価だが・・、交渉における感情の重要性に着目し、感情をマイナスと切り捨てるのではなく、生かそうとする試みは面白いし、一冊の本に体系化した労力に脱帽せざるを得ないが、交渉の方法論には言及していないので、そちらを求めている人にとっては肩透かしだと思う。その人には「Getting to yes」を薦めたい。
あと別の見方で、この本は人間の欲求について考察しているので、心理学に興味があれば読んでみるのも面白いかもしれない。人間性心理学のマズローの考えと重なる部分も多々あるので、興味があったらどうぞ。





