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白鯨―モービィ・ディック〈下〉 (講談社文芸文庫)

白鯨―モービィ・ディック〈下〉 (講談社文芸文庫)
By ハーマン メルヴィル

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  • 発売日: 2000-06
  • 版型: 文庫
  • 666 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
燃え立つ太陽と薄明の月影、輝く天空と無限の深海の闇、苛酷な人間の運命を暗示するかのような大海原の真っ只中で起った捕鯨船ピークオッド号乗員らの惨劇。巨鯨モービィ・ディックに敗れゆく片脚の老船長エイハブ。禍々しくも、また神々しい巨大な一頭の白鯨をめぐって展開される雄大な海洋冒険小説の趣ある古典的名作を新たな読みやすい訳にしたオリジナル文庫。全二冊。

著者紹介
【ハーマン・メルヴィル】
1819年8月1日、ニューヨーク市パール街6番地に生まれる。父は、スコットランド系、フランス製品の裕福な輸入商。母はオランダ系。ともにニューヨークの名門。父方祖父トマス・メルヴィル少佐は「ボストン茶会事件」に参画、のちの独立戦争においても活躍。母方祖父ピーター・ガンズヴォート大佐も独立戦争の功労者。上に3歳違いの兄ガンズヴォートと2歳違いの姉ヘレンがあり、後に二弟三妹がつづく。


カスタマーレビュー

神の鯨‐白鯨5
長い長い時間がかかった。こんなに一冊の本を読むのに、時間がかかったのも珍しい。全2巻で読むのに時間がかかったのは、一つには、物語の流れがとても緩慢で、鯨百科事典みたいな、鯨や鯨業に関わる詳細な説明みたいな個所が結構あるからだろうし、上巻の後半と下巻の後半以外は、延々と海に生きる鯨捕りたちの風景が描かれていて、スリリングなシーンもほとんどなく、刺激的でもなく、いかにも、古い小説の感じがあるからだろう。
しかし、上巻の後半と、下巻の後半からラストシーンに至るまでの緊張感は、素晴らしいものがある。訳に関しては、全く不自然な感じもなく、イシュメールのユーモラスな性格も的確に描かれていて、私には、全く非のうちどころのないものだった。
自然と人間という、今、まさに直面している世界的な大きなテーマをこの時代の舞台で表現している点において、圧巻というべき作品になっている。ラストシーンが、ここまで徹底したものであったとは、今の今まで知らなかったし、極めて男性的な海の世界の作品でありながら、キリスト教的な深い精神性を備えている点、これはやはり傑作という評価は妥当といえる。