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ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫)

ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫)
By 村上 春樹

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  • Amazon.co.jp ランキング: #93207 / 本
  • 発売日: 1991-04
  • 版型: 文庫
  • 269 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
暗く重たい雨雲をくぐり抜け、飛行機がハンブルグ空港に着陸すると、天井のスピーカーから小さな音でビートルズの「ノルウェイの森」が流れ出した。僕は1969年、もうすぐ20歳になろうとする秋のできごとを思い出し、激しく混乱していた。――限りない喪失と再生を描き新境地を拓いた長編小説。

内容(「BOOK」データベースより)
暗く重たい雨雲をくぐり抜け、飛行機がハンブルク空港に着陸すると、天井のスピーカーから小さな音でビートルズの『ノルウェイの森』が流れ出した。僕は1969年、もうすぐ20歳になろうとする秋のできごとを思い出し、激しく混乱していた。―限りない喪失と再成を描き新境地を拓いた最編小説。


カスタマーレビュー

寂しさの流れる冷たい夜にふと感じる暖かさ。5
  私が小学生の頃に爆発的に売れたこの本を母はハードカバーで買ってきた。真っ赤と真緑のカバーに金色の帯。それを観た私に母はいった。『いつかあなたにこの本を呼んでもらいたいから、ここに置いておくね。』

  高校1年の時に思い出したように呼んだ『ノルウェイの森』はまだ私には理解できない複雑なストーリーと、心に大きな穴を作る結末で、なんとも言えない後味を味わった。それから3年。直子が通っていただろうと思われる武蔵野の英語教育で有名な女子大でこの本を読みなおした時、涙がとまらなくなった。

  すべての人が孤独を背負って生きている。曖昧で掴みようのない孤独の中でもがき苦しむ直子と、同じ孤独でもビビッドに端的に孤独を映す緑。その狭間で同じように孤独を生きたとお!!るが曖昧なものから、少しでも形あるのもに惹かれていくという都会の中の孤独。人々の行き交う交差点でさえも孤独を隠しきれない大学生達の孤独は、当時も今もかわっていない。
  それでも記憶は確実に薄れていく。何度読みなおしても新しい発見があるのはそのためだろう。死は確実に生の一部であり、直子は自分の生を確実に人の心に植え付けるすべを知っていたように思う。それは直子自身が恋人から学んだものであり、とおるに与えたものであったと思う。

  人間の無力さ、はかなさ、その中で冴える強さ、あたたかさ。人間の人間らしい姿をありのままに書いた作品。
自分が今どこにるのかわかりますか?

「喪失」の欺瞞性1
曖昧な意思の持ち主が「喪失」を語ることの欺瞞を感じる。
主人公は、自分でリスクを負って物事を選択するという事を何一つしない。
まるでそういう事が「カッコ悪い」とでも言いたげなように著者に免罪符を与えられた主人公のふるまいは、フィクションにも関わらずある意味腹立たしさすら覚える。
主人公は全て他人からの有り得ないような働きかけによってフラフラと引き摺られ、不自然なほどに綺麗な渦の中心になる。まるで他人の心を操れる超能力者のように。

どうでもいいようないろんな女とどうでもいいようないろんなセックスをするのは、先輩が一緒ナンパに連れて行ってくれたかららしい。
相手のことが好きなのか良く解らないが、この本のメインの二人の女性である直子と緑との関わりも全て他人任せで主人公のリスクは一切無い。

直子と緑のそれぞれ個性とキャラクターは明確だが、それに関わる主人公の心理の中核があまりに雑っぽ過ぎる。直子と緑がそれぞれ主人公にとって、どう他の多くの女性から際立ち、どんな純度で主人公を「魅入らせ」たかの描写の片鱗すら無い。

女なんて最初から誰でもよかったんだと思えてくる。

直子が直子で、緑が緑でなければならない「意味」が全く感じられない。

彼女達が、主人公のあやふやな心理をいじくる「道具」にしか見えてこないのだ。

大事な人を失うという「哀しみ」や「絶望」は、決して出来事としての「死」や「別れ」ではなく、その対象に対する隙の無い「魅入られ」を必要とする。と思う。

曖昧な感情のまま、「魅入られ」てもいない人間の「喪失」対する涙は、例えどんなに巧みにデコレーションされ、万人の賞賛を得られていたとしても、私の目には、「嘘」 にしか映らない。

ノーベル賞候補3
村上春樹はノーベル賞候補だったらしい。何か判るような気もする。
川端康成、大江健三郎、(候補だった)三島由紀夫、谷崎 潤一郎、みんな普通の感覚を持った日本人からすれば、特異な存在。村上春樹に対する評価はいつも賛否両論。私はこのノルウェーの森はいい読み物だと思う。しかし文学作品ではない。彼の作品ではいつも誰かが自ら命を絶ち、主人公がセックスの相手を見つけるのに何の苦労もない。これは文学とはいえない。ノーベル賞を取るには格が小さすぎる。