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塗られた本 (講談社文庫)

塗られた本 (講談社文庫)
By 松本 清張

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  • 発売日: 1987-05
  • 版型: 文庫
  • 395 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
小さな出版社を経営する紺野美也子は、ベストセラーをねらって大流行作家に近づき、その魅力で書下ろし小説を依頼する。ところが、作家の欲望の影が、しだいに彼女を追いつめ、さらに、愛する二人の男性との間で苦悩する美也子の、破滅への道が始まる。美貌の女社長をめぐって展開するサスペンス長編小説。


カスタマーレビュー

泣きました5
松本清張の作品は時間を忘れて読んでしまいます。
なかでも、女のなかにある黒い感情、狡さ、野心、欲を見事に描くところに惹かれますが、あまりに見事に描かれててあるため、読後に寒々しい気持ちになることがありました(決して内容がつまらないということではありません)。
今回も女性の狡さ、業がよく描かれてあるのですが、最後になって出てくる、主人公の無能な夫への不器用な想いが描かれているところで、泣きました。ハッピーエンドではもちろんありませんが、読後は清々しいものがありました。おすすめです。

出版関係者は耳が痛いのではないだろうか5
立ち上げ間もない小出版社の美人社長が、
ベストセラー作家を口説きおとす過程で生ずる魑魅魍魎。

なるほど、
こうやって出版社は作家をおとしてきたのだなと、
著者が清張だけにうなずいてしまう。

がしかし、
これは単純な『枕営業』の話しではない。
その裏に潜む人間の様々な欲と業が絶妙に絡み合い、
かくもいやらしくて卑しい人間模様を浮かび上がらせるのに成功している。

さすが、清張!!
絶品である。

一気読み5
久しぶりに手にした松本清張作品.
さすが、面白くて一気に読めちゃいます.
主人公である女社長の思わせぶりな会話、しぐさ、駆け引きがなんといってもあっぱれ.
女からみても、なるほどこうしたら中年男性はぐらっとくるわなあ、と妙に納得.
まさに魔性の女であるが、それとは違う優しくて、脆い面も夫との関わりを通じて見ることができる.
しかし、結局女の行き過ぎた野心と欲望が、大きな苦脳を運んでくる.
何とも切ない.
とにかく清張作品の登場人物はだれもがリアルであり、それぞれに感情移入できてしまう.
個々の欲望が渦巻く清張ワールドにどっぷり浸れること間違いなし.