命の器 (講談社文庫)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #453137 / 本
- 発売日: 1986-10
- 版型: 文庫
- 180 ページ
エディターレビュー
出版社/著者からの内容紹介
精神の自画像、いのちのうつわ。
清澄な抒情を湛えた文学世界の秘密を明かす。戦後生まれの本格派・宮本輝の自伝的エッセイ。
父は事業に失敗して、殆ど家に寄りつかなくなり、よその女のもとで暮らすようになった。父は見るたびに憔悴し老いていった。……父がたまに家に帰ってくると、私は何やかやと口実を作って表に出て行き、出来るだけ顔を合わさないようにした。そんな私を、父はある哀しさの漂う目で見つめた。いま、私はときおり押さえがたい悔恨とともに、そのときの父の目を思い出す。……父との思い出はさまざまなものが複雑にもつれ合って、ひとことで言い表わすことなど出来はしないのだが、私を溺愛し、どんな人間でもいい、ただ大きくなって欲しいと念じつづけてくれた人がこの世にあったということを、筆舌に尽くしがたい感謝の念で思い起こすのである。――(「父がくれたもの」より)
内容(「BOOK」データベースより)
「私を溺愛し、どんな人間でもいい、ただ大きくなって欲しいと念じつづけてくれた人がこの世にあったということを、筆舌に尽くしがたい感謝の念で思い起こすのである。」(本文より)―清澄な抒情を湛えた文学世界の秘宝を戦後生まれの本格派・宮本輝が魂の自画像の中に描き出す、珠玉の第2エッセイ集。
カスタマーレビュー
自分の命の器
自分が今まで出会った人、経験したこと、その価値を自分がどう受け止めているか、今大切に思うたくさんの友人との関係性。そんなことを、タイトルでもある「命の器」を読んで振り返り考え、自分の命の器はどれだけのものか少し不安にもなりました。でも、いつか自分の命の器が大きかったんだと感じられるような生きかたができたらと思い、これからも読みつづけたい1冊です。そして、たくさんの方に読んでもらいたいです。
宮本作品のバックボーンもわかる素晴らしい1冊です
「青が散る」のあとに買った本ですが、素晴らしいの一言。
特にタイトルと同じ「命の器」は、多くの人が共感できる内容である。
この本を貸してあげた友人はこの「命の器」のページに共感し、部屋
に文書を貼ったらしいが、人生の外的必然が、まさに宗教的であるこ
とは30代の読者は充分納得できるのではないでしょうか?
どんな人と深く関わっていくかは、まさにその人の命の器次第なので
あって、疎遠になるのは魂レベルからその人との繋がりを願わないか
らであると最近切に感じました!
この本には、助けられました。
10年前に最愛の父を亡くした時に私はこの世で一人ぼっちになり立って生きて行く事がたまらなく息苦しかった。そして、いつも心臓をドキドキさせながら、職場へ街の中へあてもない不安と孤独と悲しみを背負って生活をしていました。そんな時、東戸塚の坂の下にある本屋さんで偶然にもこの本に出会い、ああもう私をこの世で一番愛してくれた人はいないんだなと宮本さんも同じようにお父様を亡くされた時思ったという文章を読んで、誰もが一度は通らなくていけない悲しい運命の一部なのだと納得しました。あれから、少しだけ強くなれたような気がします。



