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鉄道大バザール (上) (講談社文庫)

鉄道大バザール (上) (講談社文庫)
By P・セルー

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  • Amazon.co.jp ランキング: #716938 / 本
  • 発売日: 1984-06
  • 版型: 文庫
  • 309 ページ

カスタマーレビュー

アメリカ人がアジアを鉄道で縦断する3
 1975年に出たThe Great Railway Bazaarの翻訳。セルーはアメリカ人小説家で、英文学研究者でもあるらしい。と同時に無類の鉄道好きらしく、本書は鉄道を乗り継いでユーラシア大陸を縦断した記録となる。
 ロンドンからオリエント急行でトルコに入ると、あとはひたすらアジア各国の鉄道に乗りまくる。イラン、アフガニスタン、インド、スリランカ、タイ、マレーシア、日本。日本からはソ連に渡り、シベリア鉄道でヨーロッパに戻っていく。上巻ではスリランカから再びインドに戻ったところまで。
 ものすごい大旅行である。しかも、アジアの鉄道は老朽化していたり、遅延がものすごかったり、不快な同乗者に悩まされたりする。しかし、著者は淡々と乗り続ける。本当に鉄道の旅が好きなのがよくわかる。
 さすがに鈍行列車ではなく急行ばかり、それも一等車が大半だが、アジアの無秩序さ、暑さ、貧しさがストレートに伝わってくる。そこを著者は的確に描き出している。アジアにおけるヨーロッパ支配の残滓、貧富の格差。冷静な、茶化すような文章が様々な問題をえぐり出していく。旧支配者のイギリス人ではなく、それでも白人であるアメリカ人であるからこそ、見えてくるものも多い。