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米軍再編 (講談社現代新書)

米軍再編 (講談社現代新書)
By 久江 雅彦

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  • 発売日: 2005-11-18
  • 版型: 新書
  • 208 ページ

エディターレビュー

内容説明
殴り合い寸前までいった日米功防のすべて!日本の安全保障の行方を左右する在日米軍の再編問題。しかし政府は確たる方針をもたず迷走をつづけてきた。交渉の全貌を明かし、日本外交の構造的欠陥をえぐる!

内容(「BOOK」データベースより)
日本政府は米国の攻勢にボールを投げ返せないまま、受け身の姿勢に終始してきた。…さまざまな構想が米国側から提示されたにもかかわらず、日本政府は「何ら具体的な提案はない」「米国と自由な意見交換をしている」と繰り返し、提案の内容を公式には一切伏せてきたのである。…政治が総力をあげて取り組んできた形跡もなく、交渉にのぞんだごく一握りの官僚たちの場当たり的な対応が、問題を複雑にし、協議を長期化させた。国民の目に触れることのない密室で、どのような攻防が繰り広げられてきたのだろうか。隠された全容に迫る驚愕のドキュメント。

内容(「MARC」データベースより)
外交の「八方塞がり」は、ついに日米関係に及んだ。隠された、日米「秘密交渉」の全容に迫り、在日米軍再編問題をめぐり生じている日本の危機を徹底的に解明し、小泉・ブッシュ盟友関係の幻想を暴く驚愕のドキュメント。


カスタマーレビュー

新聞報道の「ウラ」がよくわかる5
この方面のニュースに触れる度に「こんな生ぬるいやりとりをしているわけはない」とは思っていたが、「やはり思ったとおり」と納得した。本書は米軍再編問題を通して、現実との矛盾が決定的になっている日米安保条約と、それに基づく在日米軍の将来について日本政府の交渉がいかに主体性を欠き、戦略に乏しく、リーダーシップもチームワークもなかったかという事実を見事に暴いている。
再編された米軍のアジア戦略はもはや日米安保条約の規定する「極東」を超え、「中国の脅威」という問題も、もはや包み隠してはおけなくなり、長期的視野に立った安全保障の視点が必要とされる現在、条文上の辻褄合わせと在日米軍基地負担の縮小に汲々とする外務省と、日米安保条約の「歯止め」もなきが如く米軍と現場同士の連携に走る防衛庁・自衛隊の主導権争いの諸側面が明らかになっている。またブッシュとの個人的な関係を誇っている割には、何ら指導力を発揮できなかった小泉総理の、さらに政治全体のビジョンや行動力のなさも、筆者の豊富な情報網によって詳らかにされている。
そして何よりも驚くのは、このような米側の具体的な提案や日米の意見交換の実態が、その負担を引き受ける地方自治体の首長ばかりか国民にも全く知らされず、官僚が情報を独占していた事実である。本書は「報道されなかった事実」を明らかにし、外務省や防衛庁に欠けていた、我々の問題を国民的な議論を経て決定しようという態度に貢献する。しかし筆者は共同通信の記者であるなら、なぜ今まで記事にして、その都度問題提起してこなかったのかという疑問も残る。
本書は、従来まで日本の文献ではあまり整理されていなかった米軍の構成や各部隊などの戦略上の位置づけなどについても概観できるという意味で貴重である。日米安保の基礎知識を勉強したい人にとっても格好の入門書と言っていいだろう。

丹念な事実取材と鋭い分析に脱帽5
安全保障を研究している者だが、現場を知り得ない我々には教材、論文資料としても有益。これまでの報道では触れられていない交渉経緯が詳細に描かれており圧巻。恐らく、この本に書かれている日米交渉の経過は数十年後の情報公開でも明らかにされないものばかりではないか。我々研究者は中身の濃い事実がなければ分析も論評も深まらない。その意味で類書が見当たらない力作と評価したい。

No political will.5
新聞では断片的にしか報じられなかった米軍再編に関わる日米の協議の経過を、よくぞここまで取材し、まとめたものだと感心した。
米国の要求に対し、場当たり的な対応を繰り返して楽観的に値切り交渉を繰り返す経過がよくわかった。でもこれって、日中戦争や太平洋戦争の勃発の時と同じような気がする。日本人の体質なのかもしれない。
最後に「この国には政治的な意志がない(No political will.)」と記載されているが、まさしくその実態をみせつけてくれた一冊でした。