アメリカ外交 (講談社現代新書)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #93438 / 本
- 発売日: 2005-02-18
- 版型: 新書
- 270 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
「ブッシュ外交」への感情論、アメリカ「帝国」論議を超える外交・国際問題を学ぶための最良の教科書。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
村田 晃嗣
1964年神戸市生まれ。同志社大学法学部卒業、米国ジョージ・ワシントン大学留学後、神戸大学大学院法学研究科博士課程(国際関係論)修了。博士(政治学)。同志社大学法学部助教授。専攻は国際関係論、特にアメリカ外交・安全保障政策。著書に『大統領の挫折―カーター政権の在韓米軍撤退政策』(有斐閣、アメリカ学会清水博賞、サントリー学芸賞)、共著に『戦後日本外交史』(有斐閣アルマ、吉田茂賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
読者に親切な配慮、丁寧な仕上がり、重厚な内容の新書だ
決して容易な内容ではないが、最後まで一気に読めた。単なる新書や教科書の域を越えた内容となっていると思う。
新書にもかかわらず、各章に丁寧な(注)が打ってあり、本の巻末には、「アメリカ外交を読む 文献案内」と「索引」もある。丁寧に作られた、読者に親切な作品になっている。
最近出版されたアメリカ関連の新書と併せて読み比べることで、注意深く熱心な読者は、アメリカ政治外交にとって不可欠な基礎知識をにわかに涵養できるのではないかと思われる。
本全体で、随所に散りばめられた歴史の逸話(エピソード)やトリビア(こぼれ話し)のおかげで、一般の読者にも広く親しまれるのではないかと期待できる。
著者は超多忙なはずだが、相当な読者家でもあることがうかがい知れる。
特に、たとえばH.キッシンジャーやJ.ギャディスなど回顧録や歴史書からの「引用」が絶妙なタイミングで挿入されている。
第1章の「アメリカ外交を見る眼」では、概念的な問題が提示される。アイデンティティの問題など、最新の研究動向までフォローされている。
建国以来のアメリカ外交史を概観する第2章以降でも、こうした枠組みにしたがって議論が展開されているので、もしかしたら読者が、興味のある時代(章)から読み始めることは難しいかもしれない。学術論文のように論理構成が統一された新書となっている。
しかし章ごとに章結がまとめられているので、読者が道に迷うことはないと思う。
また本書は、A.トクヴィルの引用から始まり、R.ニーバーの引用で終わっている。冒頭のトクヴィルの引用から示唆される通り、日本の国益と外交を知るためにアメリカ外交の「苦悩と希望」(=副題)を知る必要があるという姿勢が、本全体で“基調低音”のように流れている。こうした論理構成にも、一貫した主義主張と「統一性」を強く感じた。
もう一度、じっくりと読み直したいと思う。そういう重厚な内容の新書である。
概説としてよくできている
本書は、アメリカ外交を冷戦前、冷戦期、ポスト冷戦期の3つの時期におおまかに区切って解説したものである。まず、非常にわかりやすい。これを読めば、第二次大戦期のルーズベルト以降の大統領が何をしたか(業績)が大まかにつかめる。専門語句が多少多いが、そこは政治学事典やJ.ナイの『国際紛争』で補えるだろう。あとは、大統領に関するうんちく話が多い。内容的にどうでもいいこともあるのだが、「へぇ」と思ってしまう。さらに先に読み進みたくなる感情がわいてくる。最後に、一番本書が優れているのは、国際政治理論の基礎の基礎を、丁寧に解説していることである。K.ウォルツやモーゲンソー、コヘインやナイ、ウェントの行っていることを大まかにまとめてある。それも、初学者にわかりやすく。村田先生は素晴らしいですね。ここまで優しく書ける人は他にいるのでしょうか。もちろん、初学者でなくとも示唆に富む部分は必ずあります。最近、本当に買って得したと思えた新書です。☆6つくらいつけたい。
志がいい
「外交・国際間題を学ぶための最良の教科書」本書の帯に付された惹句である。この惹句は編集者がつけたものと思われるが、著者が自らの訳書『国際紛争──理論と歴史』を目指したことは明らかである。アメリカの大学で国際政治学の教科書として広く使われていることから、先輩と計らって同書を訳出した著者が、事実上の処女作といえる本書に、日本の学生に向けて〈教科書〉としうるものを選んだことに、私は著者の意気込みと志のありようを見た。
結論を先にいえば、著者自身が「あとがき」で「四百字四百枚足らずの分量で、しかも浅学非才の身で、アメリカ外交を十分に論じ尽くせるわけはない。」といっているように、この分量で「外交・国際間題を学ぶための最良の教科書」を書くことには無理がある。結果として、スケッチの域を超えなかったのは否めない。とはいえ、内容的には十分に〈教科書〉になっている。とくに第一章は十分に〈教科書〉になっていることは明らかで、著者が謙遜するほど「ささやかなスケッチにすぎない」ものではけっしてない。
この本の核心は、著者の姿勢あるいは問題意識のありようにある。本書を貫いている姿勢についていえば、著者のそれは終章で引用している福沢の言で語り尽くされている。
政治を論じるに当たっては「当事者になったつもりで考える」姿勢の必要性を説いたものである。この勘所を外した議論は、それがどれほど精緻を極めたものであったとしても、為政者には届かない。つまるところ、筆舌の徒の議論にしかならない。これが福沢の姿勢であり、著者の姿勢でもある。





