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田中角栄研究―全記録 (下) (講談社文庫)

田中角栄研究―全記録 (下) (講談社文庫)
By 立花 隆

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  • Amazon.co.jp ランキング: #119771 / 本
  • 発売日: 1982-08
  • 版型: 文庫
  • 445 ページ

エディターレビュー

著者紹介
1940年、長崎に生まれる。東京大学(仏文科)卒、文芸春秋入社、「週刊文春」編集部員。のち東大(哲学科)に再入学。現在、フリー。著書『思考の技術』(日経新書)『中核VS革マル』『日本共産党の研究』(各上下、講談社刊)『同時代を撃つ』(全3巻、講談社)、『宇宙からの帰還』『脳死』(中央公論社)、『サル学の現在』(平凡社)他。


カスタマーレビュー

近現代史歴史教科書5
下巻は実に奥が深い。田中本人を追い込んだロッキード事件、児玉誉士夫やCIAまで登場する。児玉については聞いたこともなかったが、この人物が戦後の日本で及ぼした影響を考えるとこの人の存在は決して無視できないだろう。田中個人及び田中ファミリーについては上巻の方が詳しいが、上巻抜きで下巻だけでも読める部分が多い。だが、上巻で田中が築いてきた金脈人脈のからくりを詳しく読んでからの方が田中批判の部分に関しての理解がより深まるだろう。

この本からも上巻からも、その時代の熱気やこの作品そのものに向けられた著者のエネルギーと情熱が感じられる。下巻も戦前戦後にかけての日本の戦後史を知る上で重要な内容が多い。それは日本の社会形成において実はCIAや児玉のような存在が裏で暗躍し、表社会の形成に加担していったという、日本人が日本人であるという誇りを与えないのに十分というような、なんとも悲しいが否定できない衝撃の事実だ。そんな裏社会を体現し権力の頂点まで行ってしまったのが田中、そして田中的存在達だろう。そしてその現実にジャーナリズムのメスを入れたのが著者・立花隆だと思う。これは田中的な戦後を許してしまったマスコミ、そして何より日本国民全体が考えなければならない大きな問題だ。

著者が命を懸けた渾身の本作品。絶対お薦めです。

腐敗打倒にかける情熱5
 下巻には、ロッキード事件発覚から、田中が五億円収賄容疑で逮捕されるまでに書かれたレポートが掲載されている。

 逮捕により、田中は政治の表舞台から姿を消すことになる。だが田中は刑事被告人となった後も「闇将軍」として政界に君臨し、自らの意思を実現しようとした。表舞台には大平、鈴木、中曽根ら自分の言いなりになる傀儡を据え、自身は裏舞台からそれを操作する「権力の二重構造」をつくり出すことによって、である。

 1983年10月、田中に有罪判決が下されるに至っても、政治の「金権・腐敗」体質は一向に改善されず、「田中型政治」は、金丸、竹下といった田中の後継者たちによって脈々と受け継がれてゆく。

「田中角栄研究全記録」上下巻に収められるのは、田中退陣のきっかけとなった論文「田中角栄研究」以来2年間にわたって書きつがれたもので、その量は原稿用紙千枚にも及ぶ。

だがそれでは終わらなかった。立花氏の本当の闘いは、田中逮捕の瞬間から始まったのだ。
1993年12月に田中が病死するまで、氏は「田中なるものすべて」を批判し続け、なんと一万枚以上の原稿を20年にわたって書き続けることになるのである。

 政治のあるべき姿を求めつづける立花氏が、腐敗打倒への激しい情熱をたたきつけた一冊である。
 
 

日本の闇に迫った歴史的作品5
著者が文芸春秋に「田中角栄研究」を発表したことが契機となり、田中角栄は退陣に追い込まれる。田中側は権力を利用し、総理府公報の月刊誌、週刊誌(特に新聞社系)への宣伝費を増やし、著者を追い詰めてゆく。そして「ロッキード事件」が発覚。著者は発表の場を次々と変えながら、金脈とロッキード事件の追求論文を様々なメディアを使って発表する。著者は、週刊ポストや現代のような独立系の週刊誌が誌面を与えてくれたと感謝している。ロッキード事件は、日米おろか世界数十カ国に跨った汚職事件で、田中角栄ばかりかCIA、児玉機関などが登場して日本の深い闇が姿を現す。今に続く日本の政治の姿が国民の前にはじめてあばかれた。この作品は、色々な場所で発表した一連の論文を整理しなおしたものだが、権力に挑む立花隆の執念にただ敬服する。