飯綱颪―十六夜長屋日月抄 (学研M文庫)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #93796 / 本
- 発売日: 2006-12
- 版型: 文庫
- 369 ページ
エディターレビュー
出版社/著者からの内容紹介
松代藩の忍び集団に内紛が発生。飯綱流の継承者・儀助は罠により仲間に追われ、江戸に出て深川の長屋住まいをすることに…。だが、そこも安住の地ではなかった。歴史群像大賞・優秀賞、日本ファンタジーノベル大賞、ダブル受賞作家、初の書き下ろし時代小説!
内容(「BOOK」データベースより)
深川の十六夜長屋に住む、泥鰌漁を生業とする甚六が、ある日川べりで行き倒れの男を見つけた。その男は驚くほどの巨体で、剛毛に覆われた体が血と泥に塗れた姿は鬼を思わせた。恐ろしさにかられた甚六だったが、苦しんでいる姿を見て男を長屋へ連れて行く。長屋の住人たちの介抱によって男は体力を回復するが、一切の記憶を失っていた。歴史群像大賞最優秀賞、日本ファンタジーノベル大賞、W受賞の気鋭の著者が贈る、受賞第一作長篇書き下ろし小説。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
仁木 英之
1973年、大阪生まれ。信州大学在学中、北京に二年間留学。卒業後スーパー店員、フリーターを経て、2000年長野市にフリースクール兼個別学習塾を開き現在に至る。2006年5月、『〓(とう)山の梨』で第十二回歴史群像大賞最優秀賞。同年8月、『僕僕先生』で第十八回日本ファンタジーノベル大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
抜け忍ものの最高傑作
出だしが宮城谷昌光みたいに格調高くてかっこよくて、
一気に物語りにのめりこみました。
抜け忍ものだが、主人公は長屋住まいの町人たちであろう。
主人公達が助ける抜け忍の正体が明かされるラストも巧い。
忍法の科学的設定も魅力的。
主人公達が助ける抜け忍は、
万能の忍者であり、
真剣に戦えば、おそらく日本一であろうことが読み取れるが、
その強い彼が追忍に重傷を負わされた理由。
彼が戦わない理由付けが抜群に巧い。
主人公がピンチになり、
ここに彼がいれば楽勝なのに、
と思うシーンが頻出するのは、
忍者小説としての見事なパラダイムシフト。
強い忍者が単純に勝ち続ける物語ではないのは巧い。
飯綱颪という題で抜け忍となれば、
白土三平の「カムイ外伝」へのオマージュかと思うが、
この小説の抜け忍は、
カムイではなくて、○○の子孫。
カムイの子孫だと階級闘争に目覚めて左翼小説になってしまうが、
この小説の忍者達は、そんな不自然な思索には嵌らない。
あくまでも武芸者としての誇りで戦うので、
敵も味方も魅力的な忍者がいっぱい出て来ます。
味方であるべき長屋の住民の磯次以外は、
魅力的な人物ばかりである。
で、磯次が長屋に住むようになった理由付けがちょっと弱いと思った。
大家との深い関係を匂わせて欲しかった。
あと、長屋の住民に双子がいるのがひっかかる。
江戸時代には双子は不吉なものとされ、
片一方を間引く習慣があったと思うが、
この小説の舞台の徳川吉宗の時代にはなくなっていたか?
私の知識が中途半端なのがいけないのだろうが、
双子を出す必然性はなかったので、
出さない方がよかったと思う。
たとえ、時代認識が間違っていたとしても、
この小説が時代小説として一流なのは確かである。
小説で一番大事なのは、魅力的なキャラとストーリーである。
長屋に住む人たちの生活が活写されている
”狩人”に追われ深手を負って記憶なくした”山さん”は主人公なのだろうが、思いのほか出番が少なく、彼を取り巻く脇役達の活躍の方が多く描かれ人間味豊かで感情移入できます。
個人的には寺小屋で教える素浪人の方が印象に残りました。
紙幅を多く割いている長屋に暮らす住民の悲喜こもごもに共感出来ればしめたものです。





