Another
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #3875 / 本
- 発売日: 2009-10-30
- オリジナル言語: 日本語
- 版型: ハードカバー
- 677 ページ
エディターレビュー
内容紹介
その学校の、そのクラスにはある「呪い」がある。避けられない死の連鎖に挑む少年少女の運命は--新本格の旗手が満を持しておくる、戦慄の青春ホラー。
内容(「BOOK」データベースより)
その「呪い」は26年前、ある「善意」から生まれた―。1998年、春。夜見山北中学に転校してきた榊原恒一(15歳)は、何かに怯えているようなクラスの雰囲気に違和感を覚える。不思議な存在感を放つ美少女ミサキ・メイに惹かれ、接触を試みる恒一だが、いっそう謎は深まるばかり。そんな中、クラス委員長の桜木ゆかりが凄惨な死を遂げた!この“世界”ではいったい、何が起こっているのか?秘密を探るべく動きはじめた恒一を、さらなる謎と恐怖が待ち受ける…。
著者について
京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。1987年、在学中に『十角館の殺人』で衝撃的デビューし、いわゆる新本格ムーブメントの契機となる。1992年には『時計館の殺人』により第45回日本推理作家協会賞を受賞。
カスタマーレビュー
新・代表作の誕生!
ミステリーとホラーの融合、
囁きシリーズ・「暗黒館の殺人」においても
おそらくは目指されていたであろうこの主題を、
そして残念なことに消化不良に陥り、
不完全燃焼であったこの主題を、
この作者はこの作品によって、一気に挽回し、完成させました。
雰囲気、トリック、論理、そしてキャラクター。
すべてがいかにも綾辻氏らしく、
そしていままでの作品以上に素晴らしい。
自分にとっては時計館以来の傑作、
人によっては十角館以来の傑作と言う人も、
人によっては最高傑作とする人もいると思います。
逆に、ホラーがまだ強すぎると感じる人もいると思います。
綾辻氏のファンにとっては、この十数年、
新刊がなかなか発売されず、待たされ、
発売された作品の内容も賛否両論が多く、
がっかりし、やきもきしていた人もいたかと思いますが、
(自分もまぎれもなくそうでした)
2009年、この作品の発売をもって、
綾辻氏の衰えていなかった力量に安堵し、
新たなる綾辻氏の展開を、期待していけると思いました。
褒め言葉ばかりで、レビューになってないかも知れませんが、
これが読了後現時点での自分の素直な感想、レビューそのものです。
綾辻氏によれば、次の予定は(今頃は?)「奇面館の殺人」の
執筆ということです。むろん期待していますし、
この「Another」がその期待を強く後押ししています。
力作ではありますが……
1,000枚という大部の長編ですが、あっという間に読めてしまいました。このリーダビリティの高さは、さすが綾辻氏です。隅々まで計算された構成、張り巡らされた伏線の緻密さも、氏の本領発揮といえるでしょう。
力作であるということに異論はありませんが、不満も少なからずありました。最大の不満は「呪い」のルールが、どれもあまりにゲーム的過ぎること。これはSFミステリと同じように「謎解きゲームを成立させるためのルール」であり、ホラーの道具立てとしてはむしろ興ざめでしかありませんでした。
また、このルールのせいもあるでしょうが、登場人物の言動に不自然さが目立ちすぎます。何より不自然なのは、主人公の一人称。主人公は一体、誰に対してこの話を書いて(もしくは語って)いるのでしょうか? なぜ、ある部分をあやふやに語る必要があるのでしょうか? これは「日記」なのでしょうか? それとも「手記」? 「手紙」? 「内面の声」? そのいずれだとしても、なぜ主人公がわざわざこういう語り方(書き方)をしたのか、その理由がどうしても分かりませんでした。これもまた、小説世界のリアリティよりも、仕掛けを優先したがゆえに生じた不自然さでしょう。
ホラー・ミステリという触れ込みですが、「ホラー」というには小説部分への心配りが少々欠けているように思えます。「耳ざわりがいい」等の日本語の誤用も感心できません。
『時計館の殺人』はホラーではありませんが、読んでいるうちにそくそくと迫ってくる怖さがありました。『殺人鬼』は不自然さが目立たず、ホラー的な要素と本格ミステリとしての要素が無理なく融合した傑作でした。綾辻氏には、これらの傑作に匹敵する新作を期待したいものです。
たくらみに満ちた傑作
綾辻作品は一作残らず(暗黒館、びっくり館も含めて)好きで、ふだん読むのが遅い私も、氏の作品だけは魅せられるように一気読みしてしまう。
そんな私でも、「最後の記憶」は、初読の際、いまいち受け入れられなかった。ミステリ的な狙いと、ホラー的な狙いが、やや乖離した印象があったからだった。もしかすると、綾辻作品でホラーは、なかなかなじまないのではないか。そんな不安がありつつ、待望の新刊を手に取った。
結果を言えば、この不安は杞憂だったと言ってしまっていいだろう。ミステリ的な企みと、青春ホラーとしての枠組みが、一切の違和感なく完璧に融合されている。各キャラクターが大なり小なりしっかりと印象的に描かれており、それゆえに壮絶なクライマックスが一層引き立つ。
氏が自らあとがきで読者を挑発している通り、意外な事実が待ち受けている。これに関しては見事というほかない。
難を言えば、前半は最近の綾辻作品特有の展開の遅さ、謎の引っ張りがあるため、人によってはもどかしく感じるかもしれない。だが心配はいらない。引っ張るだけの価値はある、美しい物語だ。
傑作だと断言しよう。「館シリーズが一方の代表作なら、もう一方の代表作」は決して言いすぎじゃない。





