おそろし 三島屋変調百物語事始
|
| 価格: | ¥ 1,785 1500円以上は送料無料 詳細 |
発送可能時期: 在庫あり。
販売、発送は Amazon.co.jp
商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #25641 / 本
- 発売日: 2008-07-30
- 版型: 単行本
- 429 ページ
エディターレビュー
内容紹介
ある事件を境に心を閉ざした17歳のおちかは、神田三島町の叔父夫婦に預けられた。おちかを案じた叔父は、人々から「変わり百物語」を聞くよう言い付ける。不思議な話は心を溶かし、やがて事件も明らかになっていく。
内容(「BOOK」データベースより)
17歳のおちかは、実家で起きたある事件をきっかけに、ぴたりと他人に心を閉ざしてしまった。ふさぎ込む日々を、江戸で三島屋という店を構える叔父夫婦のもとに身を寄せ、慣れないながら黙々と働くことでやり過ごしている。そんなある日、叔父・伊兵衛はおちかを呼ぶと、これから訪ねてくるという客の対応を任せて出かけてしまう。おそるおそる客と会ったおちかは、次第にその話に引き込まれていく。いつしか次々に訪れる人々の話は、おちかの心を少しずつ溶かし始めて…哀切にして不可思議。宮部みゆきの「百物語」、ここに始まる。
著者について
1960年東京生まれ。87年「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理新人賞を受賞。以後、日本推理サスペンス大賞、推理作家協会賞、吉川英治文学新人賞、山本周五郎賞、日本SF大賞、直木賞、吉川英治文学賞など受賞。幅広いジャンルを手がけ現代日本を代表するベストセラー作家。
カスタマーレビュー
ちょっとがっかり
もっとしみじみとした小説だと思って読んだが、そうではなかった。
「霊験お初」や「あかんべえ」のように最後に魔物と対決するという小説だった。
ほかの人に指摘されているように最終話は強引さを感じるし、子供だましとも言える。読んでいるときはそれなりにおもしろかったが、宮部みゆきの小説としてはあまり良いできではない。人に推薦はできないなあ。
「お! これは、読ませるじゃないか」と、いつしか夢中で読みふけっていた
江戸の神田三島町の一角に店を構える袋物屋の三島屋。訳あって、その店の主人である叔父夫婦のもとに預けられ、働くことになった十七歳のちかが、店の「黒白の間」で、そこを訪れる人たちの不思議で怪しい話を聞いてゆく。不思議で怪しい、切なさと怖さ、恨みと憎しみ、割り切れぬ思いなどが絡まり合ってゆく。曰く、変調百物語。その聞き手となった主人公のちかが、語り手となる人たちから百物語の話を聞いていくことで、語り手とそこに関わる人たちの呪いを浄化し、それとともに、自らが負った災厄の根っこを見つめ、逃げずに相対してゆくようになるのですね。
著者の『あかんべえ』と好一対の、健気な少女と幽霊あるいは幽鬼たちが心を触れ合わせ、それぞれに浄化、変容、再生していく物語。第一話「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」の話から、「お! これは、読ませるじゃないか」と、話の中に引っ張り込まれ、「凶宅」「邪恋」「魔鏡」と読み進めていくうちに、いつしか夢中で読みふけっていました。とりわけ、「魔鏡」「家鳴り(いえなり)」と続く終盤、物語の第四コーナーの一瀉千里、怒涛の勢いは圧巻。「魔鏡」に出てくる美しい登場人物は、殊に印象強烈。怖かったなあ。上村松園の『焔(ほのお)』という絵に描かれた女性がゆくりなくも思い出されまして、ぞおっとしました。
愛する心と憎む心、気遣う心と悪意の心、そうした人の思いというのは表裏一体、紙一重のところにあるのだなあと、本書をひもといていくうちに、しみじみ感じ入ってしまいましたねぇ。登場人物の伊兵衛の言う、<何が白で何が黒かということは、実はとても曖昧なのだよ>との言葉が、ことのほか印象深く、忘れられません。
蛇足ながら、「最終話 家鳴り」の中、ある人物が言う「姉さんが来た、姉さんが来た」という台詞のことで。ここはおそらく、著者の敬愛する岡本綺堂『半七捕物帳』の記念すべき第一話「お文(ふみ)の魂」を念頭に置いています。本書をはじめ、宮部さんの江戸時代ものの小説の雰囲気、なかでも怪しの雰囲気には、岡本綺堂の『半七捕物帳』『三浦老人昔話』『青蛙堂鬼談(せいあどうきだん)』などの作品に非常に通じるものがあります。未読の方は、そちらもぜひ、お読みになることをおすすめいたします。
怪談としてはなかなか。しかし……?
1話が一番完成度が高いように感じました。2話もなかなかの怖さでしたが最終話に繋がっていくと思うとちょっと……。そして主人公自身の話である3話が挟まり、4話は(話の内容自体は怖いですが)主人公の心を癒すためのお話。最終話は……展開がかなり強引なものに感じました。
このお話は最終話が始まった辺りから様々な場面で不自然に感じられるというか、作者がそう言わせたかったから唐突に言わせてみた、という印象を多々受けました。無理矢理書き繋いでいるという感じです。主人公の心が癒されていく過程において、主人公がお世話になっている叔母さんの言葉(主人公が気にかけていなかった人々はどうなるのか)というような台詞の言い回しなどに違和感を感じたり、ラストで敵?を説得するシーンもなんだか主人公一人で色々言っていて、読者は相当おいてけぼりにされているような。。。
宮部さんの時代小説でこのような強引な印象を受けたのは初めてでしたので驚きました。この作品は短編集で出した方がよかったのではないかと思います。無理矢理救済ストーリーにしなくてもよかったのでは……なんだか主人公が救われているのかいないのかよくわからないまとめになっていたように感じてすっきりしませんでした。そして最後に出会ったキャラとの会話から続き物になる予感がしました。次のお話でこの消化不良な部分に関して掘り下げてもらえればいいのですが。良助さんのこととか。
長編としてはあまり……と感じましたが各話の怪談は怖くて物悲しさが漂っていてよかったと思います。特に彼岸花の話がお気に入りです。





